2012 Fiscal Year Research-status Report
ヒト前立腺癌のホルモン不応性獲得におけるセロトニンの役割と新たな治療標的の可能性
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23590387
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 保宏 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80396499)
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Keywords | 前立腺癌 / セロトニン受容体 / 肥満細胞 |
Research Abstract |
1.前立腺癌培養細胞での5-HTR4アゴニストによるERβ発現調節:アンドロゲン依存性前立腺癌培養細胞株であるLNCaPを培養し、フェノールレッドフリーかつチャコール処理した牛血清を添加した培養液において、vehicleを加えた対照群と5-HTR4アゴニスト(10nM)を投与した群を各々48時間培養した。その結果、対照群に比し5-HTR4アゴニスト投与群ではERβmRNA発現が有意に上昇するのが確認された。2. 前立腺癌培養細胞での5-HTR4アゴニストによる細胞増殖抑制:LNCaPを上記と同条件で培養したところ、対照群に比し5-HTR4アゴニスト投与群では細胞増殖が有意に抑制されるのが確認された。以上から、5-HTR4はアンドロゲン依存性前立腺癌においてステロイド受容体の発現や細胞増殖の調節に重要な役割を果たしていることが確認された。3. 肥満細胞株の取得:研究計画の1つに含まれている前立腺癌培養細胞と肥満細胞株との共培養モデルを確立すべく、文献などで適切な肥満細胞株の検索を行った。その結果、本研究ではLAD2が適切な培養細胞株であることが確認された。その後、国内の他施設より肥満細胞株(LAD2)の譲渡を受けた。これにより前立腺癌培養細胞株との共培養実験を行う目途がたった。またLAD2に最適な培養条件についても情報を入手することが出来、必要な試薬等を購入した。なお、実験に必要な器具については既に入手を終えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
免疫組織化学的検索が終了し、前立腺癌培養細胞株単独での実験についても順調に経過しているので、概ね目標は達成されていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
前立腺癌細胞株と肥満細胞株との共培養実験を確立し、両細胞間の相互作用モデルを確立することが研究の主体となる予定である。 1. 前立腺癌培養細胞での5-HTR4アゴニストによる細胞浸潤能の検討を行う。 2. 前立腺癌培養細胞に対する5-HTR4アゴニストの作用について、関連する応答遺伝子の解明を行う。 3. 前立腺癌培養細胞株と肥満細胞株との共培養実験を行い、サイトカイン産生など両細胞間の相互作用、癌の微小環境形成について研究を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「該当なし」
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