2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト前立腺癌のホルモン不応性獲得におけるセロトニンの役割と新たな治療標的の可能性
Project/Area Number |
23590387
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 保宏 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80396499)
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Keywords | 前立腺癌 / セロトニン受容体 / 肥満細胞 |
Research Abstract |
1.アンドロゲン依存性ヒト前立腺癌培養細胞株であるLNCaP細胞に、5HTR4アゴニストであるCisapride monohydrate (10nM)を添加し、24時間後の癌細胞の遊走能を検討した。遊走能の解析は、PET track-etched membrane cell culture inserts (Becton Dickinson, Franklin Lakes, NJ)にて行った。その結果、対照群に比較してCisapride monohydrate添加群では、癌細胞の遊走能が有意に低下した。したがって、前立腺癌細胞に発現する5HTR4は癌細胞の遊走には抑制的に働いている可能性が示唆された。 2.上記LNCaPと共培養を予定している肥満細胞株の培養条件を検討を行った。共同研究施設よりLAD2細胞の提供を受けた。LAD2細胞の培養は、Stem Cell Factor (SCF)を加えたStemPro-34培養液を用いて行ったが、LAD2細胞数の増加が予想以上に遅く共培養実験に至るまでの細胞数確保は困難であった。その後同施設から新たに追加細胞の提供を受けたところ、初回よりも細胞数の増加が安定し、LNCaP細胞との共培養実験を行うことができる見通しとなった。また、通常別な培養液を用いているLNCaP細胞においても、この培養条件下での細胞維持が可能であることが確認された。条件が整い次第、速やかに両細胞の共培養を開始し、培養液中のサイトカインなどの濃度測定、及び両細胞間で発現に変化のある遺伝子の検索を行うこととする。
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