2012 Fiscal Year Research-status Report
プラーク破綻におけるMMP-9の役割:新たな急性冠症候群発症モデルの開発
Project/Area Number |
23590401
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
渡辺 照男 佐賀大学, 総合分析実験センター, 客員研究員 (40037396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
範 江林 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (60272192)
北嶋 修司 佐賀大学, 総合分析実験センター, 准教授 (70284643)
西島 和俊 佐賀大学, 総合分析実験センター, 助教 (70435874)
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Keywords | MMP-9 / 動脈硬化 / 遺伝子組換え / ウサギ / 病態モデル |
Research Abstract |
Matrix Metalloproteinase(MMP-9)遺伝子導入(Tg)ウサギに1%のコレステロール食を16週間給与した。MMP-9Tgウサギは野生型ウサギに比べ体重が軽く、摂食量も少ない傾向にあったが、血中の総コレステロール値は両者で同程度であり、トリグリセリドはTgで高い傾向にあった。また、Tgウサギでは野生型ウサギに比べ脂肪組織重量が低く、脂肪組織へのマクロファージの浸潤が亢進していた。動脈硬化病変の表面積には両者で差が無かったが、Tgウサギでは野生型ウサギに比べ血管の肥厚が高度であった。 急性冠症候群の新たなモデルウサギの開発を目指し、先行研究で動脈硬化を促進する事が明らかとなっているMMP-12とMMP-9を併せ持つTgウサギの繁殖を進めた。オスMMP-12TgウサギにメスMMP-9Tgウサギの精液を人工授精した結果、これまでにMMP-12/MMP-9Tgのオスウサギ7匹とメスウサギ4匹を得た。これらのウサギを用いて、高度な動脈硬化病変を誘起する事を目指して高コレステロール食の負荷を行った。16週齢のオスMMP-12/MMP-9Tgウサギ4匹に対し、1%コレステロール食を8週間給与した後、通常食にて8週間飼養する事を2度繰り返し、最後に1%コレステロール食を16週間給餌した。過量麻酔によりウサギを安楽殺し、動脈および心臓を採取した。動脈の病変は広範囲に渡り、高度に肥厚しており、現在心臓の病理解析を進めている。また、MMP-12/MMP-9Tgウサギへの1%のコレステロール食の16週間の給与を開始しており、これにより得られる結果とMMP-9Tgウサギにおける結果とを比較検討し、複数のMMP遺伝子の導入が動脈硬化を進行させるか否かについて明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
MMP-9Tgウサギの解析は順調に進行している。 平成24年度には佐賀大学実験動物施設の改修工事が行われていたため、動物の飼育スペースが十分ではなく、またMMP-12とMMP-9を併せ持つTgウサギの出生確率は1/4と低い為、繁殖に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
Tgウサギの繁殖を進め、目的の遺伝子型を持ったウサギが得られ次第、順次コレステロール負荷実験を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
引き続き、動物の飼育、食餌負荷、病態解析に研究費を用いる。 また、研究の成果発表の為、旅費を必要とする。
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