2013 Fiscal Year Annual Research Report
プラーク破綻におけるMMP-9の役割:新たな急性冠症候群発症モデルの開発
Project/Area Number |
23590401
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
渡辺 照男 佐賀大学, 総合分析実験センター, 客員研究員 (40037396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
範 江林 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (60272192)
北嶋 修司 佐賀大学, 総合分析実験センター, 准教授 (70284643)
西島 和俊 佐賀大学, 総合分析実験センター, 助教 (70435874)
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Keywords | MMP-9 / 動脈硬化 / 遺伝子組換え / ウサギ / 病態モデル |
Research Abstract |
当初、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)-9 Tgウサギと心筋梗塞を自然発症するWHHL MIウサギの双方の特徴を持つウサギの開発を計画していたが、複数の原因遺伝子を持つと考えられているWHHL MIウサギと他の系統のウサギを交配することで、WHHL MIウサギの持つ形質が失われると考えられた。そこで計画を変更し、先行研究により動脈硬化が促進する事が明らかとなっているMMP-12 TgウサギとMMP-9 Tgウサギを交配し、これらの遺伝子を併せ持つ新たな急性冠症候群モデルの開発を目指した。 MMP-12 TgウサギとMMP-9 Tgウサギの交配により得られたMMP-12/MMP-9 Tgウサギ、MMP-9 Tgウサギおよびコントロールウサギを実験に用いた。これらのウサギが16週齢になった時点で、血中脂質の計測を行い、静脈内糖負荷試験によるインスリン感受性の検討を行った後、0.8%コレステロールを含む飼料の給与を開始した。週ごとに摂食量、体重を計測するとともに血中の総コレステロール値をモニタリングして1200~1500mg/mL程度に保たれるように食餌中のコレステロール濃度を調節した。26週間後、ウサギを安楽殺し、血液、大動脈、心臓等を採取して血液生化学的、病理学的解析に用いた。大動脈のマクロ標本を作製し、MMP-9 Tgウサギとコントロールウサギで比較したところ、大動脈の弓部、胸部および全体においてMMP-9 Tgウサギでは動脈硬化病変が進展していた。 現在、MMP-12/MMP-9 Tgウサギの大動脈の解析を進めている。同時に、冠動脈を広く検索することを目的として考案したウサギ心臓ブロック作製法に従い、各系統のウサギの動脈硬化病変の解析を進めている。
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