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2011 Fiscal Year Research-status Report

ヒト気管支上皮細胞のテロメア長と癌化に関する研究

Research Project

Project/Area Number 23590411
Research InstitutionInternational University of Health and Welfare

Principal Investigator

相田 真介  国際医療福祉大学, 大学病院, 教授 (10531387)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords気管支上皮 / 前癌病変 / p53 / Ki67 / テロメア
Research Abstract

中枢型肺癌症例20例について、背景の気管支粘膜上皮を組織学的に観察し、基底細胞過形成、扁平上皮化生、異形成、上皮内癌の有無を検討した。異形成と上皮内癌に関しては、軽度および中等度異形成をlow grade squamous intraepithelial lesion (LSIL)、高度異形成と上皮内癌をHigh grade squamous intraepithelial lesion (HSIL)として二段階分類で検討した。その結果、基底細胞過形成は40%、扁平上皮化生は15%、HSILは30%にみられ、LSILはみられなかった。全例の背景気管支粘膜上皮と腫瘍部について、p53、p63、Ki67、Cytokeratin 14の免疫染色を行った。p63とCytokeratin 14は基底細胞マーカーとして基底細胞過形成の観察に有用であった。p53は腫瘍部の75%、HSILの67%に陽性を示し、基底細胞過形成は陰性であった。Ki67は正常粘膜では1.6%、基底細胞過形成で7.1%、HSILで27%、腫瘍部で43%の標識率を示した。 中枢型肺癌の前癌病変としては、基底細胞過形成、扁平上皮化生、LSIL、HSILが想定されるが、今回の症例にはLSILがみられなかった。Ki67とp53の染色性からも、基底細胞過形成、扁平上皮化生、HSIL、浸潤癌と進展することが示唆された。 Q-FISHによるテロメア長の測定は、解剖例より入手した対照症例についてのみ行った。51~100歳、平均82.7歳の53例の中枢側気管支上皮(区域気管支)と末梢細気管支上皮について測定し、中枢側気管支上皮のテロメア長(NTCR)平均1.41標準偏差0.36、末梢細気管支上皮NTCR平均1.45標準偏差0.40の値を得た。中枢と末梢で有意差は無く、また51~100歳の範囲では年齢による差も認めなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

収集した中枢型肺癌症例の組織学的検討と免疫組織学的な解析は、ほぼ予定通り行うことができた。 赴任したばかりの施設のため、研究機材と試薬の整備が整わず、FISH法によるテロメアの測定の開始が遅れたが、協力研究者(東京都健康長寿医療センター 相田順子)の支援を受け、対照症例53例の測定を完了することができた。 癌症例のテロメア長の測定には至らなかったが、組織学的な検討と対照症例のテロメア長のデータを十分にとることができ、ほぼ順調に進展していると考えている。

Strategy for Future Research Activity

今年度は、Q-FISHによる中枢型肺癌症例のテロメア長の測定を開始して、全例の測定を終了させる。同時に染色体不安定性の指標であるanaphase bridgeの検討を行う。測定結果を昨年度に行った組織学的および免疫組織学的な検討結果、および対照症例のデータと対比して、統計的な処理を行って検討しする。今年度中に、中間報告として結果をまとめ、学会発表できる程度の成果をだしたい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

Q-FISHのための試薬と消耗品の購入、標本作成のための人件費が主体となる。結果の分析と検討のため統計パッケージや事務用品などの購入も必要になると考えられる。また中間報告を学会発表するための旅費等も用意したい。

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Published: 2013-07-10  

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