2011 Fiscal Year Research-status Report
動脈老化と動脈中膜変性疾患(大動脈解離、脳動脈瘤、脳動脈解離)のプロテオーム解析
Project/Area Number |
23590422
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
沢辺 元司 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (30196331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
呂 彩子 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50296555)
戸田 年総 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究副部長 (80133635)
田中 博 東京医科歯科大学, 大学院疾患生命科学研究部, 教授 (60155158)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 循環器 / プロテオーム |
Research Abstract |
本研究の目的は動脈中膜組織のプロテオーム解析により動脈老化、非症候群性動脈中膜変性症(大動脈解離など)のタンパク質、タンパク質修飾の病態を明らかにすることである。加齢と共に動脈は老化し、硬くなる。広く動脈硬化と呼ばれるこの現象は病理学的には内膜を中心とした粥状硬化症と、中膜を中心とした「加齢性中膜変性硬化症」に分かれる。加齢性中膜変性硬化症では弾性動脈が拡張し、動脈壁が硬化する。その結果として、大動脈瘤、収縮期高血圧、うっ血性心不全、冠不全、大動脈弁逆流症などの高齢者に特有の病態を引き起こす。一方、大動脈解離は心タンポナーデ・縦隔出血を起こす致死性疾患である。加齢性中膜変性硬化症、大動脈解離では何れも、動脈壁の脆弱性、先天的異常が指摘されているが、その本態に関してはよく分かっていない。本研究ではタンパク質やタンパク質修飾の増減を網羅的に検討するプロテオーム解析を用いて病態の解析を行う。平成23年度は試料の採取が中心である。加齢性中膜変性硬化症の検討では若年、中年、高年の正常大動脈試料を採取する必要がある。中高年では病理解剖時に試料を採取することが可能であるが、若年齢では死亡することが少なく正常な組織試料を得ることは極めて困難である。本研究では東京都監察医務院の協力により組織試料を得ることが可能となった。まず、監察医務院の組織採取に関しては監察医務院、東京都健康長寿医療センター双方の倫理委員会の承諾を2011年5月に得た。試料採取は7月に開始が可能となったが、夏期では死体の腐敗が進むため、試料採取を一旦中断し11月から採取が可能となった。2012年3月までに25例の組織採取を終えた。センターでも高齢者症例8例の組織採取を終えた。またセンターで試験的に採取した大動脈壁を用いてビーズ式破砕装置を用いて機械的に可溶化し尿素変性条件下でタンパク質抽出を行い成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
組織採取は成功しており、今年度はプロテオーム解析を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
組織採取は成功しており、次年度以降にプロテオーム解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度後半ではプロテオーム解析を計画していたが、プロテオーム解析担当の戸田年総先生が2011年12月に横浜市立大学に異動されたため行えなかった。次年度以降では三浦ゆり先生がプロテオーム解析担当されるため研究遂行に支障はない。
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Research Products
(7 results)