2013 Fiscal Year Annual Research Report
動脈老化と動脈中膜変性疾患(大動脈解離、脳動脈瘤、脳動脈解離)のプロテオーム解析
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23590422
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
沢辺 元司 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (30196331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
呂 彩子 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50296555)
戸田 年総 横浜市立大学, その他の研究科, その他 (80133635)
田中 博 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60155158)
三浦 ゆり 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター, 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究副部長 (00216574)
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Keywords | 動脈硬化症 / 血管老化 / 大動脈解離症 / プロテオーム解析 / 二次元電気泳動 / 質量分析 |
Research Abstract |
1.具体的内容 (1) 目的 動脈老化、大動脈解離症では、動脈壁の脆弱性、先天的異常が指摘されているが、その本態に関しては不明である。本研究の目的は動脈中膜組織のプロテオーム解析により動脈老化、大動脈解離症のタンパク質、タンパク質修飾を網羅的に検討する事である。 (2) 方法 大動脈解離症の解析については対照群6例、解離症例6例、加齢変化の解析については若齢者3例、中齢者5例、高齢者4例の解剖例で胸部大動脈壁を採取し実験に用いた。大動脈中膜は、マッシャーやジルコニアビーズを用いて破砕し、タンパク質を抽出した。蛍光色素を用いてタンパク質のラベルを行った後、二次元電気泳動(2D DIGE)を行い、蛍光スキャナーにより画像を取り込んでスポットの定量解析を行った。発現の変動したスポットについて、トリプシンによるゲル内消化を行い、MALDI-TOF/MS及びMALDI-TOF/MS/MSを用いた質量分析により、タンパク質を同定した。 (3) 結果 大動脈解離症において、アクチン、ミオシン、トロポミオシンなど、平滑筋の収縮に関与するタンパク質スポットが変動していた。また、低分子型のビメンチンが減少しており、大動脈解離症の動脈中膜においてビメンチンの翻訳後修飾が重要であることが示唆された。加齢によっても同様に、平滑筋収縮に関与するタンパク質スポットが変動するほか、extracellular SOD (EC-SOD)、glutathione S-transferase、peroxiredoxin 2などの酸化ストレス関連タンパク質も変動していた。 2.意義と重要性 プロテオーム解析により大動脈解離症および動脈老化に関連して大動脈壁構成タンパク質が変動を検出することが出来た。本研究により、動脈老化の機序解明、大動脈解離症の病因解明、予防法開発に繋がると期待される。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] ヒト大動脈解離症のプロテオーム解析2014
Author(s)
三浦ゆり, 岩本真知子, 津元裕樹, 副島友莉恵, 戸田年総, 森澤拓, 新井冨生, 濱松晶彦, 遠藤玉夫, 沢辺元司
Organizer
日本プロテオーム学会2014年会
Place of Presentation
つくば
Year and Date
20140717-18
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[Presentation] Proteomic analysis of the human aortic media2013
Author(s)
Sawabe, M., Yoshida, S., Hamamatsu, A., Toda, T., Arai, T., Iwamoto, M., Endo, T., Miura, Y.
Organizer
8th Asia Pacific IAP Congress (APIAP)
Place of Presentation
Busan, Korea
Year and Date
20130905-08
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[Presentation] Proteomic analysis of the elastic arterial media in aging2013
Author(s)
Sawabe, M., Yoshida, S., Hamamatsu, A., Toda, T., Arai, T., Iwamoto, M., Endo, T., Miura, Y.
Organizer
81st European Atherosclerosis Society (EAS) Congress
Place of Presentation
Lyon, France
Year and Date
20130602-05
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