2012 Fiscal Year Research-status Report
各種腫瘍における腫瘍幹細胞動態を制御する因子に関する解析
Project/Area Number |
23590425
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森井 英一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10283772)
|
Keywords | 腫瘍幹細胞 / 病理学 |
Research Abstract |
腫瘍幹細胞の動態について、そのマーカーとしてアルデヒド脱水素酵素に着目して検討した。子宮内膜癌の臨床検体において、アルデヒド脱水素酵素の活性の高い腫瘍細胞を多くもつ症例は予後不良で、リンパ節転移や再発を高頻度に来すことを我々は報告した。アルデヒド脱水素酵素の活性の高い腫瘍細胞は、周囲の腫瘍細胞と比較してSmad3の活性化がみられないことを見出した。そこで子宮内膜癌細胞株を用いて検討した結果、Smad3を活性化させるシグナルを阻害すれば、アルデヒド脱水素酵素の活性が増加することがわかった。これらの結果は、子宮内膜癌においてのみではなく、肺腺癌においてもみられることも明らかにした。Smadシグナルは腫瘍周囲の間質から供給される様々な因子によって調節されていることがわかっている。現在、その因子について解析を行っているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
種々の腫瘍における腫瘍幹細胞の動態を検討する目的で、アルデヒド脱水素酵素に着目して研究した結果、子宮内膜癌のみならず、肺癌においても、アルデヒド脱水素酵素を調節する因子を見出しつつあり、研究は順調に進捗している。
|
Strategy for Future Research Activity |
アルデヒド脱水素酵素を調節する因子として、Smad3シグナルを見出した。今後は、そのシグナルを調節する因子の同定を行う予定である。さらに実際の臨床検体において、見出した因子とアルデヒド脱水素酵素の関係を検討することも検討している。これらの研究は、腫瘍の中でも化学療法や放射線療法などの種々の治療法に抵抗性を示す腫瘍幹細胞の制御に応用できるものと考える。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品として、Smadシグナルを調節する因子の同定のためのスクリーニングに用いる免疫組織化学に必要な薬品を購入する予定である。また、学会での成果発表、論文投稿のためにも研究費を使用する予定である。
|
-
[Journal Article] Critical role of Trib1 in differentiation of tissue-resident M2-like macrophages.2013
Author(s)
Satoh T, Kidoya H, Naito H, Yamamoto M, Takemura N, Nakagawa K, Yoshioka Y, Morii E, Takakura N, Takeuchi O, Akira S.
-
Journal Title
Nature
Volume: 495
Pages: 524-528
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 癌幹細胞2012
Author(s)
森井英一
Organizer
日本病理学会
Place of Presentation
京王プラザホテル
Year and Date
20120427-20120429
Invited