2011 Fiscal Year Research-status Report
異型性の分子基盤の追求(がん遺伝子KRAS下流分子のプロテオーム解析から)
Project/Area Number |
23590428
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
奥寺 康司 横浜市立大学, 医学部, 助教 (10326027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
禹 哲漢 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 共同研究員 (90537177)
片山 映 日本医科大学, 医学部, 助教 (10333113)
下山田 博明 杏林大学, 医学部, 助教 (60381472)
矢澤 卓也 杏林大学, 医学部, 准教授 (50251054)
永原 則之 日本医科大学, 医学部, 准教授 (10208043)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 異型性 |
Research Abstract |
形態異常(異型性)はがん細胞に共通にみいだされる特徴である。本研究の目的は、その分子基盤の一端を明確にすることである。申請者はこれまでに、KRAS導入細胞の遺伝子発現解析が異型性の分子基盤を追求するうえで合理的な戦略であることを示してきた。申請課題では、遺伝子発現マイクロアレイでは同定できない、翻訳後において蛋白質レベルで発現・修飾制御を受ける分子群を、二次元電気泳動法を用いたプロテオーム解析によって網羅的に検索し(図2)、これらの異型性発現の責任分子としての可能性を追求する。当該年度は、KRASによって制御される25種の蛋白を同定した、細胞骨格構成蛋白、Ca2+結合分子、イオンチャンネル制御因子を含んでいた。これらの発現をがん細胞株、原発性肺癌病変で確認すると、特にイオンチャンネル制御因子の一つの発現が、顕著に減弱していることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書では、1)がん遺伝子KRASによって蛋白質発現・修飾状態の変化する分子群の同定、候補責任分子のスクリーニング、2)異型性発現の候補責任分子の抽出、3)候補責任分子のスクリーニング(1)(肺がん細胞株での発現解析)、4)候補責任分子のスクリーニング(2)(肺がん切除材料での発現解析)の4項目を達成目標とした。当該年度では、4項目を完遂し、特に特にイオンチャンネル制御因子の一つを、異型発現の責任分子候補(最終候補分子)として絞り込んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
1)最終候補分子の遺伝子発現ベクターおよびsiRNAノックダウンベクターの作成、2)最終候補分子の発現操作細胞の形態評価(不死化気道上皮細胞での検証)、3)最終候補分子の発現操作細胞の形態評価(肺がん細胞株での検証)、4)最終候補分子の肺がん病変における発現状態と細胞・構造異型度との相関解析、を計画書とおりに遂行する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
申請書にしるしたとおりである。上記の、研究を遂行する上で必要な試薬類、物品、原則すべて消耗品を購入する。
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