2011 Fiscal Year Research-status Report
分子標的薬耐性難治性肺がんをモデルにした新規ペプチド創薬基盤技術へのチャレンジ
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23590442
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
近藤 英作 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍病理学部, 部長 (30252951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 憲 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍病理学部, リサーチレジデント (70426584)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 肺がん / 分子標的薬 / ペプチド |
Research Abstract |
gefitinib 耐性肺がんの新たな分子病理学的特徴の解析(増殖制御・細胞周期制御分子を中心とする)と、その中での増殖抑制key 分子の特定、及びその情報を基盤とする数種類のプロトタイプ抗腫瘍ペプチドの作成(分子機能回復・活性化に働くペプチドあるいは分子機能抑制性ペプチド)を目的とした。初年度として、gefitinib 感受性 EGFR 遺伝子変異を持つことで知られる肺がん細胞2株PC -9,HCC827と、EGFR T790M耐性変異 2株RPC -9,H1975 を比較解析の対象とした。 Gefitinib の用量を変え24 時間後~48 時間後に顕著なアポトーシスを誘導する条件下全細胞から mRNA およびタンパクを回収し、定量 およびタンパクを回収し、定量 PCR とイムノブロットを 併用して解析とイムノブロットを 併用して解析を行った。この際、同細胞群のgefitinib 処理による細胞増殖動態の違いから考案し、key 分子探 索の対象遺伝子は EGFR 下流の 細胞周期制御系癌抑遺伝子群 や細胞死分(※ 研究準備状況の項目参照、分子シャペロン群等に注目して、p16INK4a、p14ARF、p21CIP1、p53 、p27Kip1の発現変動をreal-time PCRにて解析したところ、p14ARFのみが耐性癌において、gefitinib感受性肺癌では引き起こされる誘導反応を欠如していることが判明した。従って、gefitinibによるEGFRを介する増殖抑制効果のエフェクター分子として、p14ARFがひとつのkey分子になることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度の一年間に、gefitinib耐性変異型肺がんにおける抵抗性獲得の重要な分子機序の一端をp14ARF遺伝子の発現制御機構にある点として明らかにできた。さらに、このgefitinib感受性・耐性結果を左右する作用機構に関与するp14ARFのコード領域内の詳細な機能部位(アミノ酸配列)を特定できた。この結果に基づき発展的に、gefitinib耐性変異型肺がんに対し増殖抑制効果を発揮する腫瘍細胞浸透性抗腫瘍性p14ペプチドをデザインし、このペプチドがin vitroで顕著ながん細胞増殖抑制・アポトーシス誘導能を示すことを証明する実験データを取得済みである。以上初年度の目標を達成し、なおかつ、ペプチドによる抗腫瘍効果の検証、作用の分子機序まで判明させることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
in vivoでのヒトgefitinib耐性肺がん細胞移植モデルマウスを作成しての、p14抗腫瘍機能性ペプチドの腫瘍抑制効果の解析実験を計画している。このとき糖鎖修飾によるペプチドの生体内安定化技術を併行して検討したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ペプチド合成費、マウスモデル作成費、ヒト型糖鎖修飾費用に主に使用。その他、実験試薬(消耗品)費、研究情報収集費(学会参加費、研究討議のための出張費)を予定している。
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Research Products
(14 results)