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2012 Fiscal Year Research-status Report

血液脳関門形成血管内皮細胞におけるタイト結合構成分子クローディン5の発現制御解析

Research Project

Project/Area Number 23590447
Research InstitutionYamaguchi University

Principal Investigator

崔 丹  山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40346549)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 池田 栄二  山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30232177)
Keywords血液脳関門 / 血液網膜関門 / 低酸素 / グローディン5 / タイト結結合
Research Abstract

種々の難治性神経系疾患では、血管バリアー機能の破綻が病態の中枢をなす。我々は血管バリアー破綻の誘因として組織低酸素状態に注目し解析を進め、低酸素濃度下における血管バリアー機能の破綻が、内皮細胞の細胞膜からのclaudin-5の消失に依存することを明らかにした。さらに、昨年度、in vitroの実験では、低酸素濃度下におけるclaudin-5発現・細胞内局在に関わるmetalloproteinase遺伝子ファミリーに属する9分子中の2分子(特許出願準備中のため、M1とM2とする)が重要であることを特定した。本年度、in vivoの神経系血管バリアーモデルを用いて、この2分子の重要性を検証した。
実験系としてはマウスの網膜を使用した。まず、マウスを4%~7%酸素濃度下に2日飼育した。網膜伸展標本を作製する前、網膜の低酸素代謝状態を解析するために、マウスの腹腔内にpimonidazoleを投与した。続いて、上記に記載した2分子(M1とM2)をtargetとしたsiRNAをマウスの硝子体内に投与した後、マウスを正常酸素濃度下あるいは低酸素濃度下に2日飼育した。2日後、マウスの左心室内にFITC-dextran (10 kDa)およびHoechst stain H33252 (534Da)をトレーサーとして投与し、網膜の透過性を評価した。結果として、マウスを低酸素状態下に2日飼育すると、網膜が低酸素代謝状態に陥り、網膜血管バリアーの破綻が認められ、Hoechst stain H33252 (534Da)の血管外漏れが亢進した。しかし目的分子M1とM2のsiRNAを投与したマウスでは、Hoechst stain H33252の漏れが抑えられた。In vitroおよびin vivoの実験において、分子M1とM2は低酸素状態における血管バリアーの機能破綻の責任因子であることが特定された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の実験計画通り、in vitro実験系の結果を踏まえて解析を進めた。つまり、低酸素濃度下における血管内皮細胞の細胞膜へのclaudin-5発現・局在調節に関わるmetalloproteinaseの重要性を、in vivo神経系血管バリアーモデルを用いて、解析した。以下の新たな結果を得た。
1)マウスを4%~7%酸素濃度下に2日飼育すると、網膜は低酸素代謝状態に陥り、網膜血管バリアーの破綻、色素Hoechst stain H33252 (534Da)の血管外漏れが亢進した。
2)マウスを低酸素濃度下に飼育する前に、metalloproteinase遺伝子ファミリーに属する分子M1とM2(特許出願準備中のため、M1とM2とする)をtargetとしたsiRNAを投与されたマウスでは、低酸素濃度下飼育による網膜血管がこのHoechst stain H33252 (534Da)の漏れが抑えられた。M1、M2分子は神経系血管バリアーの機能破綻に関与することがin vivo系においても示された。

Strategy for Future Research Activity

in vivoの実験を中心にして、解析を行う。
1)異なる酸素濃度下に飼育したマウスの網膜組織のclaudin-5発現・局在についての解析:マウスを正常酸素濃度下または低酸素濃度下に2日飼育する。2日後、マウスの網膜伸展標本を作製し、免疫染色を用いて、claudin-5の発現・局在を比較する。また、一部の網膜から蛋白を抽出し、western blot法でclaudin-5の発現変化を検討する。
2)目的のMetalloproteinase活性とclaudin-5の発現・局在についての解析:マウスを低酸素濃度下に飼育する前に、metalloproteinase遺伝子ファミリーに属する分子M1とM2(特許出願準備中のため、M1とM2とする)をtargetとしたsiRNAをマウスの硝子体内に投与する。その後、マウスを正常酸素濃度下または低酸素濃度下に2日飼育する。2日後に1.と同様の解析を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

1.マウスの飼育に使う。
2.生化学・分子生物学用試薬などの消耗品に使用する。
3.研究成果の発表、論文の投稿に使用する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Deferoxamine刺激下の脳血管内皮細胞におけるclaudin-5発現解析2012

    • Author(s)
      岩本沙也加、崔丹、高橋睦夫、河野裕夫、池田栄二
    • Organizer
      第101回日本病理学会総会
    • Place of Presentation
      京王プラザホテル(東京)
    • Year and Date
      20120426-20120428

URL: 

Published: 2014-07-24  

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