2011 Fiscal Year Research-status Report
動脈硬化モデルマウスにおける脂質合成転写因子SREBP-1遺伝子抑制効果の検討
Project/Area Number |
23590453
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高橋 昭光 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (70344893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島野 仁 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20251241)
鈴木 浩明 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (40344890)
矢藤 繁 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50451703)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 肥満 / メタボリックシンドローム / リポ蛋白代謝 / 動物モデル / 転写因子 |
Research Abstract |
1.本研究に用いようとするSREBP-1ノックアウトマウス(BP1KO)とLDL受容体欠損マウス(LDLRKO)を交配した二重欠損マウス(BP1KO/LDLRKO)の樹立については,従前からの経験から予測された通り脆弱個体が多く,本年度の検討のみでは統計学的解析に資するだけのサンプルが得られなかった.しかしながら,交配ペア数は目標の10組程度を維持出来るに至った.2.高脂肪食負荷による血漿脂質プロファイルのジェノタイプ間の変化については,若年個体に対して十分コントロールされた期間の高脂肪食負荷は行い得ていないが,retired pairに対して,高脂肪食を1~8週間負荷した予備検討を行い得た.その結果,血中コレステロール値はLDLRKOマウスでは1000mg/dL程度(1000以上の個体も散見される)まで上昇するのに対し,二重欠損マウスは500~800mg/dL程度と低下する傾向があった.血中TGについては,LDLRKOのみの対照マウスで600~800mg/dL程度であったが,BP1KO/LDLRKOマウスでは200mg/dL程度に留まり,TG上昇はSREBP-1KOにより抑制される可能性が示唆された.3.上記検体におけるリポタンパクプロファイルについては,測定毎に得られた血漿を固体毎にてアガロースゲル法により観察した.LDLRKOのみ変異の対照マウスでは高TG血漿のためかBroad βパターンやMidバンドが認められたが,BP1KO/LDLRKOマウスではβバンドは野生型よりは強いもののバンドパターンに極端な異常はなくsmall, dense LDLを示唆するβバンドのシフトも認めなかった.4.動脈硬化の病理学的検討では,オイルレッド-Oで染色される大動脈起始部のプラークが減少している傾向が観察された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
BP1KOマウスの飼育・繁殖経験により,同マウスはホモ・ホモ交配で仔を得ることは極めて困難であり,稀に出生個体が得られても十分に育成しない(母乳の分泌不全なども考えられる).従って,本二重欠損マウスにおいても同様の事が予想されたが,実際行ってみるとやはりBP1KOと同様であった.そのため,本実験に用いる二重欠損系統樹立のためにはLDLRKOバックグラウンドで,SREBP-1(+/-)の親を兄妹交配して目的のマウスを得る必要があり,実験のたびにgenotypingが必要であった.しかしながら東日本大震災に被災し,親マウスは幸い失わなかったもののgenotype用の試薬類が停電により失活したり,器具が損傷するなど,実質6月くらいまではGenotypeが出来ず,系統樹立に時間を要した.本来であれば,本実験系の負荷食などをH23年度中に開始し,本データの蓄積に取りかかる予定であったが,災害復旧に時間をとられ進捗が遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
1.負荷食投与期間の設定: Retired pairの検討から,血清プロファイルは4週程度が妥当であると考えているが,実験を行うのは,以前検討したSREBP-1Tg/LDLRKOマウスとの比較のためにも8週齢程度から負荷することになると考えられるため,負荷期間が妥当であるかどうかを検証する.2.動脈硬化解析のための負荷食投与期間の設定:これもやはりSREBP-1Tg/LDLRKOマウスとの比較を考慮するため,8週齢より10週程度を予定しているが,使用動物個体数を抑制するためにもこの期間が妥当かの検証を行う必要がある.3.血漿レベルの脂質測定・リポ蛋白プロファイルの観察:上記設定後,個体数を揃えながら順次解析を進める.それぞれの解析手段についての震災後復旧は完了している.4.大動脈起始部の動脈硬化性プラークの本検討の開始.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
直接経費の大半は,消耗品・試薬などの物品費に充当する.また,マウス用負荷食(Western diet)は,冷所保管が必要であり,ストック分が停電により損なわれたため,新たに作成・購入したが,H24年度は本年度よりも負荷する個体数が増えるため,追加購入は必要となる.リポ蛋白のHPLC,大動脈起始部切片標本については委託解析・作成を行うための費用が必要となる.また,学会発表等も予定しているため,発表者の旅費も計上している.
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