2011 Fiscal Year Research-status Report
Meis1遺伝子の表皮正常およびがん幹細胞維持における役割
Project/Area Number |
23590454
|
Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
若林 雄一 千葉県がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (40303119)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 和弘 千葉県がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (80584680)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 表皮幹細胞 |
Research Abstract |
Meis1コンデイショナルノックアウト/K14-CreERマウスの背中を剃毛後、tamoxifen (1mg/マウス)を塗布しCreを誘導することでMeis1を欠損させ、体毛の再生実験を繰り返して行った。Meis1を欠損したマウスのほうが毛の再生が遅れるという結果が再現性良く得られた。表皮の形態を詳細に調べたところ、Meis1を欠損したマウスでは表皮の細胞層が厚くなり、毛包が短縮しているということがわかった。また、BrdUをMeis1コンデイショナルノックアウト/K14-CreERマウスの腹腔に注射して3週間程度放置し、皮膚幹細胞を特異的に標識した後に抗BrdU抗体で免疫染色を行ったところ、Meis1を欠損したマウスではBrdUに標識された細胞、すなわち表皮の幹細胞がほとんど存在しないことがわかった。 Meis1-GFPトランスジェニックマウスの皮膚組織から細胞を回収し、FACSAriaによるGFP陽性細胞つまりMeis1が発現している細胞のsortingを行った。具体的にはまず、毛包に広く発現するα6-intrgrinをマーカーとしてGFP陽性細胞を含むようにsortingし、次いで幹細胞マーカーであるCD34抗体、および抗GFP抗体を用いてsortingを行った。Sortingした細胞を用いてin vitro コロニーアッセイを行ったところ、GFP陰性細胞と陽性細胞を比較すると陽性細胞のほうがより多くのコロニーを産生した。次いでCD34陽性細胞の中でGFP陰性と陽性細胞とに分けてコロニーアッセイを行うと、GFP陽性のほうがコロニーが少ないという結果が得られた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者若林は新潟大学在籍時に本申請を行い、その後、申請時には予期していなかった異動があり、採択時には千葉県がんセンターに異動していた。大学では多額のマウス維持費を支払う必要があるが、千葉県がんセンターではマウス維持費が全く無料になり、予定していたマウス維持費への支払いが必要なくなった。さらに昨年度、行った実験は前々年度までに購入済みの手持ちの消耗品類でまかなうことができたために、直接経費を使用する必要がなかったが、上記の研究概要に述べたようにほぼ予定していた計画通りに研究が進んだ。そのため、おおむね順調に進展していると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
Meis1-GFPトランスジェニックマウスの皮膚からsortinした細胞のヌードマウスへの移植実験と、Meis1コンデイショナルノックアウト/K14-CreERマウスを用いた皮膚発がん実験、このふたつのIn vivo実験を進めて行く。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
備品の購入予定はない。消耗品類の購入と謝金に使用する計画である。
|