2013 Fiscal Year Research-status Report
骨・血管連関と新しいヒスタミンの機能:閉経後の動脈硬化石灰化と骨粗鬆症
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23590467
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
谷本 昭英 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10217151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹栗 靖之 産業医科大学, 医学部, 教授 (60140646)
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Keywords | ヒスタミン / 骨粗鬆症 / マウスモデル |
Research Abstract |
前年度は、単独遺伝子欠損マウス(HDC-KO, H1R-KO および H2R-KO)の飼育回復と繁殖および実験に供することができた。今年度は、初年度の感染事故によるマウスの全頭処分により、研究計画が著しい遅延を回復すべく、2重遺伝子欠損マウスの飼育繁殖を行い、実験に用いることができた。 研究は、apoE-KO マウスの対照群として、2重遺伝子欠損マウスは apoE/H1R-KO, apoE/H2R-KO および apoE/HDC-KO (ただし HDC は heterozygous) の雌性マウスを用いた。8週齢の各マウスに麻酔下に卵巣を摘出後に western style diet (high fat 6% and high cholesterol 0.1%) で6週間の飼育を行った。以前の申請者らの検討により、6週間の高コレステロール食負荷で、十分に高脂血症と大動脈の動脈硬化病変が起こることはすでに確認している。深麻酔下に苦痛を与えることなく、解剖を行い、大腿骨、脊椎を採取し通常のホルマリン固定、パラフィン切片を用いてHE染色標本を作製し、光学顕微鏡での観察に用いる。 前年度の結果では、組織学的に HDC-KO および H2R-KO 単独の遺伝子欠損マウスでは、野生型マウスと比較して海綿骨の狭小化と密度の低下が観察されているが、今回 apoE-KO と比較して apoE/HDC-KO に優位な骨組織の減少は見られなかった。これは、今回の apoE/HDC-KO の HDC 遺伝子についてはヘテロ欠損であり、完全にヒスタミンの産生が抑制されていないためと考えられる。軟骨形成や成長板、骨髄組織には差違は認めなかった。また、apoE-KO 単独の遺伝子欠損マウスでは、野生型と比較して著明な変化はなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
初年度に起きたマウスの感染事故により、マウスの飼育、繁殖が著しく遅れたためである。今年度には、予定していた2重遺伝子欠損マウスの回復に成功したが、感染事故前に比べて繁殖率の著しい低下があり、実験に供するまでに時間を要したが、組織学的解析は未だ完了していない。
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Strategy for Future Research Activity |
野生型マウスおよび単独遺伝子欠損マウス、2重遺伝子欠損マウスの大腿骨の採取は完了している。来年度は、繰り越した研究費を用いて組織学的解析を完了し、卵巣摘出下での雌性マウスのヒスタミンとヒスタミン受容体の発現と骨代謝の関連を考察したい。 全体的に研究の進展が遅れているため、飼育施設の選択や環境の整備など、今後は、より適切なマウスの飼育、繁殖を考慮し、実験に用いるマウスの頭数を増やしたうえで、研究を継続したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度に起きたマウスの感染事故により、マウスの飼育、繁殖が著しく遅れたためである。今年度には、予定していた2重遺伝子欠損マウスの回復に成功したが、感染事故前に比べて繁殖率の著しい低下があり、実験に供するまでに時間を要したが、組織学的解析は未だ完了していない。全体的に研究の進展が遅れているため、飼育施設の選択や環境の整備など、今後は、より適切なマウスの飼育、繁殖を考慮し、実験に用いるマウスの頭数を増やしたうえで、研究を継続することも考えたい。 各実験マウスの大腿骨の採取は完了している。来年度は、繰り越した研究費を用いて組織学的解析を完了し、卵巣摘出下での雌性マウスのヒスタミンとヒスタミン受容体の発現と骨代謝の関連を考察したい。 研究費使用の目的は大部分が、組織学的検索のための費用であり、ホルマリン、パラフィン、ガラススライドや染色液、スライド保存容器などの消耗品として計上する。
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