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2012 Fiscal Year Research-status Report

IL-23によるNotchシグナルを介した新しい免疫制御機構

Research Project

Project/Area Number 23590475
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

徐 明利  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (80597964)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 善本 隆之  東京医科大学, 医学部, 教授 (80202406)
須藤 カツ子  東京医科大学, 医学部, その他 (50126091)
KeywordsIL-23 / IL-22 / IL-17 / Notch
Research Abstract

本研究では、IL-23によるNotchシグナルを介した病態形成の制御に関する検討を行うことを目的とする。IL-23はIL-22のみならずIL-17も産生誘導するので、初年度は、まず、肝炎誘導におけるそれぞれのサイトカインを介したIL-23の役割や作用機構について検討を行った。その結果、内在性のIL-23は、IL-22産生を介し肝炎の抑制に重要であるが、外来性のIL-23は、IL-22のみならずIL-17などの他の炎症性サイトカインも産生誘導するため肝炎抑制効果は殆ど見られないことが明らかになった。
そして、今年度は、まず、IL-22による肝細胞からの炎症性サイトカイン産生および機能の抑制について検討を行った。その結果、IL-22欠損マウスにIL-22を投与すると、TNF-αやIFN-γ、IL-6産生の抑制と共に、肝障害が低下した。野生型マウスでも、同様な炎症性サイトカイン産生の抑制傾向が見られたが、IL-22欠損マウスの方が顕著であった。ヒト肝細胞株HepG2細胞を用いても同様な傾向が見られ、現在さらにその作用機序について検討している。次に、腫瘍細胞細胞としては、当初考えていた自然発生系の腫瘍では、時間が掛かり過ぎるため、もっと短時間で結果の出るゼラチンスポンジの移入により誘導される初期炎症を介して皮下増殖能を獲得する繊維肉腫QR-32細胞の実験モデル系を用いて検討を行った。その結果、IL-17およびIL-23p19欠損マウスを腫瘍増殖が抑制され、IL-23依存的にγδT細胞からのIL-17産生が炎症を誘導し腫瘍増殖を促進していることが示された。内在性のIL-23は、腫瘍増殖を促進していることが示され、現在、さらにNotch発現との相関性を検討中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度は、昨年度得た新たなIL-22による肝細胞株でのTNF-α産生抑制の作用機序の解明まで至らず、腫瘍の実験も、内在性のIL-23が炎症誘導を介し腫瘍増殖促進に関与していることが示され、Notch3の関与だけでは説明できない可能性でてきたため、当初の目的を全ては達成できず、これらの検討課題は次年度に持ち越しとなった。

Strategy for Future Research Activity

今年度は、上述の前年度の持ち越し課題を検討し、IL-22の作用機序と、IL-23を投与した時の腫瘍増殖などについても検討を行う。さらに、時間があれば、当初の予定であった肺高血圧症マウスモデルを作製し、IL-23とNotch3との相関関係を検討する。
(1) IL-22による肝細胞からの炎症性サイトカインの産生および機能の抑制:IL-22が直接肝細胞に作用し、肝炎誘導を抑制する機構を明らかにする。IL-22欠損マウスやヒト肝細胞株(HepG2)などを用いて、炎症性サイトカインの産生および機能の抑制の作用機序について検討する。
(2) p19遺伝子欠損マウスでの腫瘍増殖:上述のQR-32細胞では、内在性IL-23が腫瘍増殖の促進に効いていため、その際の腫瘍塊での種々のNotch発現を調べ、IL-23とNotchの相関性を調べ、Notchの関与を明らかにする。
(3) IL-23投与による腫瘍増殖抑制効果:移植腫瘍の肺転移モデルであるB16F10メラノーマ細胞またはMC38大腸癌細胞を尾静脈より静注し肺に転移するモデルを用いて、腫瘍投与後、IL-23蛋白または発現ベクターを頻回投与し、肺転移数と肺組織でのNotch3発現を調べ、IL-23による肺でのNotch3発現の抑制が関与しているか明らかにする。
(3) 肺高血圧症におけるIL-23とNotch3の役割:野生型およびp19遺伝子欠損マウス、さらには野生型マウスへのIL-23投与の系を用いて低酸素(10%)と普通の酸素濃度(21%)の環境下で飼育し、2週間ごとに肺での各種Notch発現と、右心室収縮期圧や血管造影による血行動態を比較する。それぞれのマウス由来の平滑筋細胞をin vitroでIL-23の有無で培養し、Notch発現を調べる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

今年度の若干の未使用金は、最終的に交付金額と同額に端数を合わせることが難しいための、次年度への繰り越し金とした。これと次年度の交付金額を合わせた全ての経費は、上述の実験遂行に必要なマウスや抗体、試薬、培養器具などの消耗品代に充てる予定である。

  • Research Products

    (6 results)

All 2012 Other

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Identification of a novel role of Septin 10 in spindle-checkpoint and Paclitaxel-resistance in human cancers through a functional genomics screen.2012

    • Author(s)
      Xu, M. et al.
    • Journal Title

      Cancer Sci.

      Volume: 103 Pages: 821-827

    • DOI

      10.1111/j.1349-7006.2012.02221.x.

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] サイトカインのすべて IL-272012

    • Author(s)
      千葉祐規乃 等
    • Journal Title

      臨床免疫・アレルギー科

      Volume: 57 (Suppl. 21) Pages: 172-183

  • [Journal Article] サイトカインのすべて IL-352012

    • Author(s)
      徐明利 等
    • Journal Title

      臨床免疫・アレルギー科

      Volume: 57 (Suppl. 21) Pages: 220-230

  • [Journal Article] がん免疫病態と免疫動態の評価2012

    • Author(s)
      河上裕 等
    • Journal Title

      血液フロンティア

      Volume: 22 Pages: 1183-1190

  • [Presentation] 能動免疫療法における免疫誘導・抗腫瘍効果を規定するバイオマーカーの検索2012

    • Author(s)
      川瀬芳恵、藤田知信、大泉梓、野路しのぶ、桜井敏晴、南雲春菜、徐明利、中山一、垣見和宏、鳥越俊彦、池田裕明、珠玖洋、岡本正人、河上裕
    • Organizer
      第16回日本がん免疫学会総会
    • Place of Presentation
      札幌
    • Year and Date
      20120726-28
  • [Presentation] IL-27とPoly(I:C)による協調的TRAILとTLR3発現増強を介したメラノーマ腫瘍増殖のTRAIL依存的抑制

    • Author(s)
      溝口出 等
    • Organizer
      第87回東京医科大学・東京薬科大学・免疫アレルギー研究会
    • Place of Presentation
      東京

URL: 

Published: 2014-07-24  

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