2013 Fiscal Year Annual Research Report
IL-23によるNotchシグナルを介した新しい免疫制御機構
Project/Area Number |
23590475
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
徐 明利 慶應義塾大学, 医学部, 特任助教 (80597964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
善本 隆之 東京医科大学, 医学部, 教授 (80202406)
須藤 カツ子 東京医科大学, 医学部, 兼任講師 (50126091)
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Keywords | IL-23 / IL-22 / Notch |
Research Abstract |
本研究は、IL-23によるNotchシグナルを介した病態形成の役割とその作用機序について明らかにすることを目的とする。昨年までに、肝炎誘導におけるIL-23およびその下流のサイトカインIL-22とIL-17の役割について検討し、内在性のIL-23は、IL-22産生を介し肝炎の抑制に重要であるが、外来性のIL-23は、IL-22のみならずIL-17などの他の炎症性サイトカインも産生誘導するため肝炎抑制効果は殆ど見られないことが明らかになった。さらに、NotchシグナルはIL-22とIL-17産生の両方に重要であったが、芳香族炭化水素受容体(AHR)シグナルはIL-22にのみ重要であった。次に、繊維肉腫QR-32細胞を用いて炎症による腫瘍増殖促進効果を調べる実験系を用いて検討を行った結果、IL-17およびIL-23p19が欠損すると腫瘍増殖が抑制され、IL-23依存的にγδT細胞からのIL-17産生が炎症を誘導し腫瘍増殖を促進していることが示された。昨年度は、さらに、IL-22による肝細胞からの炎症性サイトカインの産生および機能の抑制について、ヒト肝細胞株(HepG2)をTNF-aおよびIFN-gで刺激して、IL-1bなどの炎症性サイトカイン産生を調べると、IL-22はこれらのサイトカイン産生および細胞死を抑制することがわかった。また、p19遺伝子欠損マウスでの腫瘍増殖において、QR-32細胞は内在性IL-23が腫瘍増殖の促進に効いていたため、その際の腫瘍塊での種々のNotch発現を調べた。その結果、Notch1-3の発現が見られ、その中で野生型に比べp19欠損マウスでNotch3発現は高い傾向にあり、IL-23がNotch3発現増強を介して腫瘍増殖の制御に関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)