2011 Fiscal Year Research-status Report
カンジダ感染における留置カテーテルの影響に関する遺伝子機能解析
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23590502
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
知花 博治 千葉大学, 真菌医学研究センター, 准教授 (30333488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇野 潤 千葉大学, 真菌医学研究センター, 非常勤講師 (40114243)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ゲノム / 真菌 / フェノーム / 病原性 / 機能ゲノミクス |
Research Abstract |
病原性カンジダ属真菌は、人常在菌である一方、易感染患者における血流感染原因菌のうち第4位(7-8%)を占め、致死率20-50%に達する重篤な日和見感染症を起こす。カンジダ症の危険因子は多数存在し感染部位も多様であるため、病原性には複数の因子が関与すると考えられているが、未解明な点が多い。申請者らはカンジダ・グラブラータを用いた病原因子の網羅的な遺伝子機能解析を進め、表皮から内臓に至るカンジダの感染経路を研究し、病原性の理解を目指している。本研究課題では、危険因子の中で、最近特に問題となっている留置カテーテルの影響に焦点を絞り、カテーテルを利用したカンジダ・グラブラータの病原性(生存戦略)の解析を進めている。平成23年度は、カンジダ・グラブラータのゲノムから細胞表層の構成成分に関与すると予測される107遺伝子について欠損株の構築、確認、整備を行った。各遺伝子の組換え体を用いた解析では、統計処理を行うために通常最低2株ずつ用意する必要がある。今回、各遺伝子組換え体を最低3株ずつ構築した。次に遺伝子組換え操作に用いたベクターのみを導入した比較対象株の構築も行った。株構築の最終課程では、株(107株)の各株に該当するORFの欠損をPCR法によって確認した。これらの株のうち、24株を用いて牛胎児血清10%を含む培地におけるポリウレタンプレートへの付着能の有無を調べたが、これまでのところ比較対象株に比較して有意に付着能に差が確認された組換え体は見出していない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は宿主との接点である細胞表層に焦点を絞り107の遺伝子について各遺伝子欠損株を構築し、カテーテルの素材であるポリウレタンプレートへの付着能をin vitroで調べた。当初、次世代シーケンサーを用いてハイスループットで解析を進める予定であったが、本シーケンサーから安定した結果を得るに至っていない。そこで、in vitroでの解析によって可能性の高い遺伝子の絞りこみを進めている。その修正によって研究やほぼ予定通り進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
107種類の組換え体全てについて、マウスに直接感染実験を施すこと効率的ではないと考え、まず、in vitroにおける遺伝子の絞り込みを進めている。平成24年度は遺伝子の絞り込みを重点的に行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究補助員雇用費として80万円、関連する消耗品の購入に50万円、旅費として20万円を使用する。
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