2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23590513
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
小倉 裕範 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (60304557)
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Keywords | 自然免疫 / 炎症 / NLRP3 / caspase-1 / IL-1β |
Research Abstract |
前年度までの研究結果に従って当初の計画を大幅に変更したが、平成25年度もNLRP3の活性化機構の解析を継続し、以下のことを行った。 (1)NLRP3の活性化に並行して細胞内のセラミドが増加することが判明したので、セラミド合成系の阻害剤を用い、セラミドの増加とNLRP3の活性化の因果関係を検討した。しかし、de novo経路およびスフィンゴミエリンからの経路によるセラミド合成がNLRP3活性化の原因となることを示す証拠は得られなかった。 (2)NLRP3活性化経路はホスホリパーゼ阻害剤で阻害されることが知られているので、NLRP3活性化に伴って細胞内で遊離する脂肪酸を検出することを計画した。予備的に、ガスクロマトグラフィーを用いて脂肪酸組成を網羅的に検討することを試み、NLRP3活性化刺激に伴って細胞内遊離脂肪酸組成にわずかな変化が生じることを観察した。 (3)NLRP3活性化へのミトコンドリアの関与を検討することにした。マクロファージ系細胞株を用いてミトコンドリア欠損状態を作り、NLRP3活性化の有無を検証することにした。現在、従来知られる複数のミトコンドリア破壊法を検討している。また、ミトコンドリアDNAとNLRP3との結合を表面プラズモン共鳴センサーを利用して確認すべく、材料を準備した。 (4)NLRP3活性化経路を阻害する新規天然化合物を探索したところ、NLRP3活性化を阻害するものを見い出すことはできなかったが、caspase-1の活性化には影響しないにも関わらずIL-1betaの消化を阻害する化合物を見いだした。
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