2013 Fiscal Year Annual Research Report
細菌分子によるマトリックス・アンカーリングの機構解明と実用化を目指した前臨床研究
Project/Area Number |
23590516
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松下 治 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00209537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 栄治郎 北里大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30110430)
井上 浄 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00433714)
森 望 香川大学, 医学部, 教授 (90124883)
内田 健太郎 北里大学, 医学部, 助教 (50547578)
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Keywords | 細菌毒素 / コラーゲン結合ドメイン / 細胞外マトリックス / 膠原線維 / アンカーリンク / 骨新生 / 再生医療 / PKDドメイン |
Research Abstract |
コラーゲンはヒトの細胞外マトリックスの主要な構成成分である。病原細菌にはコラゲナーゼを産生して組織を破壊し病巣を急速に拡大するものがある。Clostridium属細菌のコラゲナーゼから基質結合ドメインを単離し、これをアンカーとして用いる新しい薬物送達システム(DDS)を開発し、骨新生や血管新生誘導に応用できることを示した。本年度は以下のことを明らかにした。 1) PKDドメインの構造解析 Clostridium属細菌のコラゲナーゼには、触媒ドメインと基質結合ドメインの間に、ヒトの多発性嚢胞腎の病原因子であるPKD1内で繰り返されているPKDドメインと相同な領域を1~2コピー有するものがある。C. histolyticum class Iコラゲナーゼ(ColG)から一種、class IIコラゲナーゼ(ColH)から二種、計三種類のPKDドメインの三次構造をX線回折法により決定したところ、これらは共通に免疫グロブリン折りたたみ構造(Vドメイン)に類似した構造を取ることが明らかとなった。Ca2+結合部位はよく保存されており、Ca2+が結合するとPKDドメイン中央部はより柔軟な構造をとると考えられる。(論文準備中) 2) 薬物シーズとモデル実験 ヒト型塩基性線維芽細胞成長因子(hbFGF)とCBDの融合タンパク質を高密度コラーゲン膜に結合させ、この複合材をモデル動物に投与し骨新生能を比較したところ、PBS処理したコラーゲン膜を用いたコントロールならびにhbFGF単体を添加したコントロールに比し有意に高い骨新生を認めた。また、不溶性コラーゲンを微細顆粒状に加工し、注射可能とした基剤を用いた場合も同様の高い骨新生誘導能を示した。(J Biomed Mater Res A. 2013) さらに、リンパ管新生への応用を目指してコラーゲン結合型VEGF-Cの生産を行った。
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Research Products
(4 results)