2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23590517
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
花輪 智子 杏林大学, 医学部, 講師 (80255405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 茂 杏林大学, 医学部, 教授 (10177587)
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Keywords | 百日咳菌 / 病原性 / 表層ストレス / RseA |
Research Abstract |
病原性発現におけるRpoE依存の表層ストレスの役割を解析する目的で、これまで培養上清中Adenylate Cyclase Hemolysin(CyaA)および Filamentous hemagglutinin (FHA) の量がRpoEの活性化により増加すること、rseA変異株ではCyaA、FHAを含むouter membrane vesicle(OMV)の産生が亢進することを明らかにしている。本年度は細胞との相互作用等を検討し、遊離CyaA、FHA増加の意義を考察した。 マウス由来培養細胞株であるJ774を用いた結果、rseA変異株の貪食率は野生株の約1/10であることが明らかとなった。CyaAは食細胞に作用しその機能を阻害する(Mobberley-Schuman, 2005)。従ってrseA変異株の貪食率低下は遊離CyaAの増加によるものと考えられる。また、FHAは食細胞への付着を促進する (Weingart & Weiss, 2000)。rseA変異株の産生するOMVにはFHA、CyaAが共存していることから効率的に食細胞に作用したものと考えられた。 一方、CyaAは気道上皮細胞に作用し、気道粘膜への定着を促進する(Vojtova,2006)。付着因子であるFHAはバイオフィルム形成を増強する。そこで変異株のバイオフィルム形成能を調べた。その結果、変異株は野生株に比べて厚いバイオフィルムを形成し、走査型電子顕微鏡による観察で、バイオフィルム内に多数のOMVを検出した。 以上結果よりRpoE依存の細胞表層ストレス応答の亢進は、CyaA、FHAを含むOMVの遊離量が増加させることでB. pertussisの、気道粘膜への定着率を上昇させ、マクロファージからの貪食を回避している可能性が考えられた。
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Research Products
(5 results)