2011 Fiscal Year Research-status Report
宿主細胞のアポトーシスを制御する肺炎クラミジア分子の探索
Project/Area Number |
23590525
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
三浦 公志郎 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30284243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 文雄 川崎医科大学, 医学部, 教授 (40153077)
簗取 いずみ 川崎医科大学, 医学部, 助教 (40454847)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | アポトーシス / 肺炎クラミジア |
Research Abstract |
肺炎クラミジアはヒトの呼吸器に感染し感冒様症状や肺炎を引き起こす。また近年では動脈硬化症との関連が明らかとなり、その感染が動脈硬化の危険因子ではないかと考えられている。肺炎クラミジアは真核生物の細胞内でのみ増殖が可能な偏性細胞内寄生性細菌であり、同菌にとって宿主のアポトーシスを制御することはその生存戦略上非常に重要である。しかしクラミジアの宿主アポトーシス制御機構には不明な点が多く、未知のアポトーシス制御因子が存在すると予想される。本研究ではこれまでに、我々が既に作成した肺炎クラミジア機能未知遺伝子ライブラリーから、Bax遺伝子の誘導によって起こる酵母のアポトーシスを抑制するクラミジアの遺伝子をスクリーニングした。 スクリーニングの結果、肺炎クラミジアの2つの遺伝子が得られた。この遺伝子を発現させることでBaxによる酵母のアポトーシスが抑制された。さらにこの酵母から同遺伝子を脱落させると再びアポトーシスが誘導された。これらの結果から、肺炎クラミジア遺伝子が酵母のアポトーシスを抑制していると考えられた。しかし新たに同遺伝子を酵母に導入してもアポトーシスを抑制することができなかった。再現性を確認できない理由は定かではないが、得られた遺伝子をヒト培養細胞に導入し、アポトーシス誘導試薬への耐性を確認する予定である。さらに今後は酢酸による酵母のアポトーシスを使って、肺炎クラミジアのアポトーシス抑制遺伝子のスクリーニングを行いたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Bax遺伝子を使った最初のスクリーニングの結果、肺炎クラミジアの2つの遺伝子が得られた。この遺伝子を発現させることでBaxによる酵母のアポトーシスが抑制された。さらにこの酵母から同遺伝子を脱落させると再びアポトーシスが誘導された。これらの結果から、肺炎クラミジア遺伝子が酵母のアポトーシスを抑制していると考えられた。しかし新たに同遺伝子を酵母に導入してもアポトーシスを抑制することができなかった。 スクリーニングを繰り返したが、同様の結果は得られなかった。結果が再現しないために予定を達成することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
Bax遺伝子を用いたスクリーニングで得られた遺伝子については、酵母の系では再現性は得られていないものの、ヒトの細胞のアポトーシスを抑制する作用があるかどうかを確認する方針である。 Bax遺伝子を用いた方法では再現性が低いので、他のスクリーニング法を試す予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額が生じた理由今年度の研究が当初の予定から遅れたために次年度使用額が生じた。次年度使用額は、24年度請求の研究費と合わせ、主に試薬等の消耗品と研究成果発表のための旅費に使用する予定である。
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