2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23590527
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
黒田 誠 国立感染症研究所, 病原体ゲノム解析研究センター, センター長 (80317411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関塚 剛史 国立感染症研究所, その他部局等, 研究員 (40462775)
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Keywords | 川崎病 / レンサ球菌 |
Research Abstract |
川崎病患児の腸内や咽頭に内在するあらゆる病原体を網羅的に把握するため、H25年度に20名のデータを加え、計28名の川崎病患児の微生物フローラ・メタゲノム解析を行った。川崎病急性期の腸内にはBifidobacterium属が少なく特徴的な口腔のレンサ球菌属(Streptococcus)の配列を検出し、患者ごとに異なる特徴的な様相を呈していることが示唆された。健常児の健全な腸内フローラとは明らかに異なる細菌フローラ組成であった。患児P7の急性期便からレンサ球菌の分離培養を試みたところ、通常の分離培養で使用される「PEA血液寒天培地と好気培養」の組み合わせでは増殖が見られず、より栄養価の高い「チョコレート寒天培地と嫌気培養」の組み合わせで異なる7株のレンサ球菌を分離することができた。7株のゲノム解読を行い分子系統分類を行ったところ、患児P7のレンサ球菌は、肺炎球菌S. pneumoniae, 心内膜炎・化膿性疾患に関わるS. sanguinisに近い系統群に分類されることが分かった。個々菌株の全ゲノム配列を解読した結果、特徴的なスーパー抗原は同定できなかったが、患児の半数で共通した特有の菌株(choco_25)が顕著に検出された。Choco_25株のゲノム情報を精査した結果、IgAプロテアーゼ、C5aプロテアーゼに類する免疫逃避に関わる遺伝子と、食中毒菌Listeria monocytogenes の細胞侵入因子Internalin Aと類似性を有する遺伝子が検出された。長年に渡って様々な仮説が提唱されている中、現在のシークエンス技術により明確な実像を明らかにできた。最有力候補である患者由来のレンサ球菌株のゲノム解析を進展させ、動物モデルによる病原性評価によって川崎病の病態解明を目指したい。
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Research Products
(1 results)