2013 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス感染に対する生体防御機構およびアポトーシス誘導機構の解明
Project/Area Number |
23590559
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮崎 忠昭 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 特任教授 (60272431)
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Keywords | インフルエンザ / アポトーシス / インターフェロン / ウイルス |
Research Abstract |
我々は、マウスに致死性のインフルエンザAウイルスを感染させると、肺胞上皮細胞に著しくアポトーシスが誘導されること、また、アポトーシス誘導シグナルにDAP3(Nat.Immunol.2001,JBC 2004,FASEB J.2007)が重要であることを明らかにした。さらに、ウイルス感染後のインターフェロン誘導に重要なIPS-1 にDAP3が会合し、アポトーシス誘導に重要であることを示した(Cell Death and Differ.2009)。その後、インフルエンザウイルスのポリメラーゼPB2がIPS-1に会合しインターフェロン産生経路を特異的に阻害することを発見した(JBC 2010)。 最近、我々は、ウイルスのPB2に会合する宿主因子としてSIVA1を同定し、ウイルス感染後のアポトーシス誘導に重要であることを明らかにした(JGV 2011)。また、RIG-Iに会合しインターフェロン誘導に関わる新規分子ZAPSを同定し、ウイルス増殖抑制に重要であることを明らかにした(Nat.Immunol.2011)。 今回、我々は、CLIPR-59という分子がTNFRに会合することを発見し、TNFa刺激後、この分子はTNFRから離脱しComplex IIの形成に関わり、ユビキチン化制御分子CYLDと会合することを見出した(Cell Death and Disease 2012)。さらに、CLIPR-59はRIP1のユビキチン化制御によりCaspase-8を活性化し、TNFaによるアポトーシス誘導を促進することを明らかにした。 以上、我々は、インフルエンザウイルス感染後、肺細胞にアポトーシスを誘導する分子を明らかにし、これらの分子が病態形成に関与していることを示した。今後、これらシグナル分子の阻害剤はウイルス感染後の病態の重篤化を抑制し、効果的なインフルエンザ治療へ応用されることが期待される。
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Research Products
(5 results)
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[Book] 北海道医学誌2013
Author(s)
藤倉大輔 伊藤誠敏 千葉聖子 上出利光 宮崎忠昭
Total Pages
1(102)
Publisher
株式会社 響文社