2012 Fiscal Year Research-status Report
RLRsを介した自然免疫機構における細胞内小器官ネットワークの解明
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23590560
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
松宮 朋穂 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30344592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今泉 忠淳 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90232602)
佐藤 敬 弘前大学, 事務局, 学長 (20125438)
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Keywords | 自然免疫 / RLR / ウイルスセンサー / 細胞小器官 / ミトコンドリア |
Research Abstract |
平成24年度は前年度に検討した細胞内ウイルスセンサーRLRsの細胞内動態に加え、RLRsのアダプター分子であるIPS-1の細胞内動態の解明を研究目標としていた。そこで、前年度に作製した蛍光タンパク融合IPS-1の発現ベクターを用いて、各種刺激後のMAVSの細胞内動態を観察した。はじめに蛍光タンパク融合IPS-1と蛍光標識したミトコンドリアを秒単位で継時的に観察したところ、おおむね同じ局在パターンを示したこと。そこで、この蛍光タンパク融合IPS-1は機能的に内因性のIPS-1と同様の作用であることが示された。 ミトコンドリア機能のうち、電子伝達系を阻害するとミトコンドリアは融合不全となって断片化したミトコンドリアが増加するが、IPS-1は局在がある特定の部位に偏った、いわゆるアグリゲーション様の局在パターンを示した。また、IPS-1をRNA干渉法を用いて抑制すると、ミトコンドリアは分裂パターンを示した。これらの結果から、IPS-1はミトコンドリアの分裂・融合に深く関与していることが明らかとなった。これまでにもこのことに関する報告はあったが、いずれの報告もIPS-1と、ミトコンドリア上に局在する分裂・融合関連因子との関連性を示したものであった。本研究の結果から、これまでの知見に加えてIPS-1と電子伝達系との関係と、その破綻がミトコンドリアの機能に影響を与えることが明らかになった。しかしながら、IPS-1が具体的に電子伝達系のどの部分と反応するのかは現在のところ不明であり、今後の検討課題となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度における研究計画は順調に遂行されており、また、平成25年度の研究計画への円滑な移行が期待されるため、申請書に記載した研究目的・研究計画に現在までの研究成果を照らし合わせると、本課題の進捗状況はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本課題においては研究計画に記載の通りに研究が推進されており、今後も概ね研究計画に沿った研究を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は顕微鏡観察や生化学的解析に必要な試薬・消耗品といった研究試薬の購入に加へ、研究成果発表のために学術集会への参加(第15回国際免疫学会 平成25年8月22日~8月27日、イタリア ミラノ、千葉市第42回日本免疫学会総会 平成25年12月11日~12月13日、千葉市)を予定している。
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