2012 Fiscal Year Research-status Report
高次クロマチンネットワークによるT細胞分化の調節機構の解明
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23590562
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
関亦 正幸 山形大学, 医学部, 教務補佐員 (80250190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関亦 明子 山形大学, 医学部, 准教授 (50321823)
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Keywords | 国際情報交換 / エピジェネティクス / 高次クロマチン構造 / 細胞分化 / 遺伝子発現 / 転写制御 |
Research Abstract |
タイプ1型ヘルパーT細胞(Th1)の分化決定には、Th1 細胞特異的に産生されるIFN-gの転写制御が重要な役割を果たしている。これまでの解析から、この転写制御にDNAループを介したIFN-g遺伝子座の高次クロマチン構造が決定的な役割を果たしていることを明らかにした。本研究では、この高次クロマチン構造のTh1 細胞分化におけるマウス個体レベルでの機能を解明し、さらに、この高次クロマチン構造を人為改変する技術を開発することでアレルギーや自己免疫疾患の新規治療法の開発を目指している。決定したDNAループ構造のうちの一つは、CTCF因子結合タイプのインスレーター調節領域であった。そこで、このインスレーターの個体レベルでの機能を明らかにするため、この領域を欠損した変異マウスを作製してTh1細胞分化に対する影響の解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究計画が比較的順調に進行した理由として、マウスES細胞での遺伝子ターゲッティングによる相同組換体が、以下に記述する手法の導入により短期間で作製できたことがあげられる。インスレーター領域を欠損した変異マウスの作製に必要なダーゲッティングベクターを、大腸菌内での相同組み換えで簡便に作製する方法であるBAC recombineering法で作製した。これらの大腸菌はアメリカNIHから入手した。さらに、マウスES細胞での相同組み換えによるインスレーター領域の破壊の効率化を図るために、ジフテリア毒素(DTA)をネガティブ選択のマーカーとして利用可能なターゲッティングベクターを大阪大学の竹田教授より供与頂いた。これらを活用したおかげで、70個のG418耐性ES細胞のうち3クローンが相同組換体であった。
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Strategy for Future Research Activity |
相同組換えES細胞をマウス受精卵に導入してキメラマウスを作製する。得られたキメラマウスの生殖系列への導入を確認後、インスレーター領域欠損へテロマウスを作製する。そして、最終的には、これらヘテロマウスからホモ欠損マウスを作製し、試験管内免疫細胞分化実験やマウス個体レベルでの免疫器官の異常を解析する予定である。さらに、様々な外来性病原体に対する免疫応答能の解析を進めることで、インスレーター領域を介した高次クロマチン構造の免疫細胞分化における機能を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「該当なし」
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