2013 Fiscal Year Annual Research Report
末梢免疫寛容成立におけるカルシウムシグナルの役割の解明
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23590565
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大洞 將嗣 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (40351506)
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Keywords | カルシウム / 樹状細胞 / サイトカイン |
Research Abstract |
本研究の目的は、制御性T細胞や樹状細胞(DC)におけるカルシウム流入―カルシウムシグナルの生理的な役割を解明することである。本年度は以下の解析を行った。 1. DC特異的なSTIM1とSTIM2の2重欠損マウスを用いて、樹状細胞におけるストア作動性カルシウム流入―カルシウムシグナルの生理的な役割の解析を引き続き行った。千葉大学・真菌センターとの共同研究によるカンジダ菌に対する真菌感染防御反応を調べたが、個体数を増やした結果、STIM 欠損マウスの真菌に対する抵抗性に変化は認められなかった。 2. 骨髄由来のSTIM欠損BMDCを様々なリガンド刺激し、サイトカイン産生に対する影響を解析した。その結果、ザイモザン刺激によるDectin-1を介した応答では、STIM欠損BMDCからのIL-2産生が著明に減少していた。さらに、IL-12 p40産生も半減していた。これはより精製されたリガンドであるカードランを用いても同様であった。LPS刺激では、IL-6産生が半減していた。シグナル伝達経路を解析したところ、NFAT経路以外に、NF-kB経路の活性化に影響を認めた。 3. DCのT細胞に対する支持能を解析するために、BMDCを様々なリガンドで刺激し、さらにOVAペプチドをパルスし、OVA特異的なTCRを持つOT-II CD4陽性T細胞と共培養を行った。その結果、共刺激分子の発現に影響は無かったが、T細胞の増殖に影響が認められた。これは、上清中のIL-2濃度が低下していたので、このことが原因だと考えられた。さらに、BMDCを刺激するリガンド依存的に、各ヘルパー細胞への分化に影響が認められた。 以上の解析から、DCにおいてストア作動性カルシウム流入―カルシウムシグナルは、DCを介した感染防御ではなく、DCによるT細胞の活性化において機能している可能性が示唆された。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Pathogenic conversion of Foxp3+ T cells into TH17 cells in autoimmune arthritis.2014
Author(s)
Komatsu, N., Okamoto, K., Sawa, S., Nakashima, T., Oh-hora, M., Kodama, T., Tanaka, S., Bluestone, JA. and Takayanagi, H.
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Journal Title
Nature Medicine
Volume: 20
Pages: 62-68
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Agonist-selected T cell development requires strong T-cell receptor signaling and store-operated calcium entry.2013
Author(s)
Oh-hora, M., Komatsu, N., Pishyraeh, M., Feske, S., Hori, S., Taniguchi, M., Rao, A. and Takayanagi, H.
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Journal Title
Immunity
Volume: 38
Pages: 881-895
DOI
Peer Reviewed
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