2013 Fiscal Year Annual Research Report
BCRとBAFF-RからのB細胞生存シグナルによる成熟B細胞分化決定機構の解明
Project/Area Number |
23590575
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 義輝 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80323004)
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Keywords | B細胞 / NF-kB / 遺伝子改変マウス |
Research Abstract |
成熟B細胞の生存はBAFF-RとBCRという2種類の受容体からNF-κB経路とPI3キナーゼ経路という異なった2種類の経路によって制御されている。これらの経路は、B2, B1, MZ B細胞という成熟B細胞への分化の方向決定にも重要な役割を担っている。本研究課題ではBCRとBAFF-Rからの生存シグナルの成熟B細胞の分化決定における役割の解析を目的として研究を行った。NF-κB経路は古典的もしくは非古典的活性化経路によって活性化される。両経路共に成熟B細胞の発生・生存に重要な役割を担っているが、この二つの経路の関係については不明な点が多い。そこで、この二つのNF-κB活性化経路の成熟B細胞の発生・生存における関係について解析した。非古典的経路では、主にp52/RelBからなるヘテロダイマーが活性化される。p52の前駆体p100が古典的NF-κB経路の標的遺伝子であることが報告されていたことから、B細胞特異的にp100を発現するトランスジェニックマウスを作製し、B細胞特異的に古典的NF-κB経路を欠失させたマウスと交配を行いB細胞の発生・生存に与える影響について検討した。B細胞特異的に古典的NF-κB経路を欠損するマウスではすべての成熟B細胞の数が減少しているが、p100を発現させることによってB2、 MZ B細胞の数が野生型マウスとほぼ同程度まで回復したがB1細胞数は回復しなかった。このことから、古典的経路は非古典的経路の活性量を調節することでB2、MZ B細胞の発生・生存を制御していることを明らかにした。さらに、最近古典的NF-κB経路の活性化に関与する事が報告された新規ユビキチンリガーゼLUIBACのB細胞における役割について解析を行った結果、LUBACがB1細胞の発生、TD、TI-II抗原両方に対する抗体反応に必須の機能を持つ事、CD40やTACI等のTNFRスーパーファミリーに属する分子の下流における古典的NF-κBの活性化には必要であるが、BCRの下流における古典的NF-κBの活性化には必要ない事を明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Defective immune reponses in mice lacking LUBAC-mediated linear ubiquitination in B cells.2013
Author(s)
Sasaki, Y., Sano, S., Nakahara, M., Murata, S., Kometani, K., Aiba, Y., Sakamoto, S., Watanabe, Y., Tanaka, K., Kurosaki, T. and Iwai, K.
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Journal Title
EMBO Journal
Volume: 32
Pages: 2463-2476
DOI
Peer Reviewed
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