2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23590584
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
齋藤 知栄 筑波大学, 医学医療系, 講師 (40444046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山縣 邦弘 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90312850)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 慢性腎臓病 / 医薬連携 / 服薬指導 |
Research Abstract |
平成23年度は医薬分業・服薬指導における現状の把握とニーズの検討を行った。人口20万人規模の都市において、服薬指導を実施する院外薬局に勤務する薬剤師を対象としてミーティングを開催し、慢性腎臓病(CKD)の現況と、薬物療法・服薬指導の意義についての講演を行い、CKDに関する知識習得の場とするとともに、医薬分業・服薬指導における課題の検証を討議した。その結果、普段の服薬指導では、服薬方法、服用における注意、服用コンプライアンスの確認、副作用について、併用薬の注意、などの項目の指導を行っていると回答があった。腎機能に関する情報は全例が有用と回答し、推算GFR,腎疾患名、血清Crの順に要望が多かった。またCKD患者は腎臓が悪いということは認識するも、腎疾患名を知らない事、腎臓病に対する意識が低い、といった意見が挙がった。CKD患者の処方の疑義照会については投与量、投与日数に関する紹介が多く、実際には医療機関によって疑義照会のしやすさが異なるといった回答も得られた。その他、降圧薬と腎機能の関連、免疫抑制薬と腎機能の関連、吸着活性炭や酸塩基平衡緩衝薬と腎機能の関係など、CKD診療の現場で処方される薬がどのような腎機能の患者で選択されているかについて質疑応答が多くなされ、院外薬局に勤務する薬剤師にとって、CKD診療での医師の処方意図がどこにあるのかを知りたいというニーズが存在することが判明した。 今後、医薬連携を行うに当たり、連携可能な院外薬局の分布について調査を行った。該当都市において中核的役割を担う病床数500以上の総合病院の腎臓内科外来に通院する患者に対し、約1か月間にわたり利用する院外薬局の聞き取り調査を行った。その結果、該当都市内で利用する院外薬局の数と分布が明らかになり、医薬連携推進のための情報収集が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は医薬分業・服薬指導における現状の把握とニーズの検討を行い、その問題点を抽出することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は処方箋を発行する際に、医師より薬剤師へ診療情報提供書を同時に発行し、薬剤師は患者のCKDに関する情報を役立てながら服薬指導にあたる群と、従来通りの服薬指導のみ行う群の2群に振り分け、1年間の介入研究を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度までに、医薬連携に必要なお薬手帳への情報提供のためのラベルプリンター、入力用のPCの購入準備を行った。院外薬局の薬剤師とミーティングを開催し研究の概要について説明を行った。年度当初は東日本大震災の影響で準備が遅れ、ポスター、配布資料、説明同意文書作成および、一部の薬剤師会との打ち合わせは次年度以降に持ち越すこととなった。平成24年度は、ポスター作成、配布資料作成、説明同意文書作成を準備の上、薬剤師会、連携先となる院外薬局へ説明を行い、服薬指導の情報提供介入研究についての理解を取得する。また服薬指導に必要な腎臓病手帳の作成を行う。説明にあたりミーティングの開催を行う。
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