2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23590584
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
齋藤 知栄 筑波大学, 医学医療系, 講師 (40444046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山縣 邦弘 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90312850)
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Keywords | 医薬連携 / 慢性腎臓病 / 服薬指導 |
Research Abstract |
平成24年度は医薬分業・服薬指導の臨床研究の立案と倫理審査申請を行い、倫理審査承認後に研究の準備を進め、介入研究を開始し1年間の観察期間が開始された。 人口20万人規模の都市において、平成23年度に実施した服薬指導を実施する院外薬局に勤務する薬剤師を対象としたミーティングで検証された討議内容を基に、平成24年度に入り医薬連携と服薬指導の臨床研究の立案を行った。平成23年度に施行した該当都市において中核的役割を担う病床数500以上の総合病院の腎臓内科外来に通院する患者が利用する院外薬局の聞き取り調査を行った結果、院外薬局の利用状況から最も利用されている地区薬剤師会を選択し、協力を呼びかけ応諾いただいた。 臨床研究では主要評価項目を服薬アドヒアランスとした。これは薬剤師会と討議を重ねた結果、慢性腎臓病患者が多種類の薬剤を正確に認識でき服薬できているかアドヒアランスを評価することで、自覚症状に乏しい慢性腎臓病患者の腎臓病への意識の高さを測る指標になるのではと考えたためである。対象患者を従来通り服薬指導を行う従来指導群と、前年度でニーズが高いとされた慢性腎臓病の原疾患名、腎機能(推算GFR,血清Cr)や血圧、検査データを情報提供に組み入れる強介入群の2群を設定し、外来通院している慢性腎臓病患者を無作為に2群に振り分け比較検証を行うこととした。情報提供のツールはお薬手帳を活用し、医療情報をお薬手帳へ記載することで、患者本人が医療情報を管理し院外薬局へ提示する方法とした。 研究デザインは倫理委員会の事前審査および本審査を通じて検証され、承認を得た。その後地区薬剤師会を集めた説明会を開催し、指導の下となる「CKD診療ガイド2012(日本腎臓学会 編)」を配布した。現在患者の登録が行われ、病院と院外薬局との医薬連携が進められている。本研究は1年間の観察期間ののち解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度に医薬連携・服薬指導の臨床研究の立案と実施が開始されたが、患者登録状況がやや遅れている。現在登録を促進し早期の目標患者登録に努めている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は平成24年度に開始した臨床介入研究を継続して行い、1年間の観察期間ののち解析を行い、医薬連携が慢性腎臓病の患者の服薬アドヒアランスに与える影響を検証し、さらには慢性腎臓病の進行抑制につながる効果が得られるか検証を行う。本研究で実施する医薬連携システムが慢性腎臓病患者の進行抑制に与える効果が明らかになれば、今後は対象患者数をさらに拡げて大規模な臨床研究において検証を行う基礎データを得ることが可能となる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は医薬連携のための介入研究を継続するために、地区薬剤師会との意見交換会を実施し、研究の進捗状況の報告と問題点の解明、その対策について討議し研究の方向性の軌道修正を行う。 結果の解析に必要な統計ソフトの購入と、データ入力のための人件費、学会発表の旅費や論文発表のための投稿費用も計上する。 解析結果を参加薬剤師会に報告するための報告会の開催費用も計上する。
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