2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23590588
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯岡 緒美 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (80585852)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 弘高 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90401314)
大生 定義 立教大学, 社会学部, 教授 (70146843)
|
Keywords | 医療者教育 / 医療者間コミュニケーション / チーム医療 / 疑義照会 |
Research Abstract |
本年は、現在までの調査を踏まえ、疑義照会に関する医学教育と薬学教育の比較ならびに医師と薬剤師両者を対象としたワークショップを開催した。 これまでの医師へのアンケート調査やインタビュー調査から、医師は疑義照会やその法的根拠について言葉を知らない、学んだことがないという意見が挙げらた。これを基に、現在の医学と薬学教育のモデル・コアカリキュラムの比較を行った。医学教育では、疑義照会やチーム医療に関連するものとして5項目が該当した。そのうち疑義照会に関連する処方せんに関する基本的事項を学ぶ項と法的根拠を学ぶ項は、今後削除も検討されている項目であった。一方、薬学教育では、疑義照会の項が設定され、法的根拠、疑義照会の流れ、実践までが記載されていた。これより、医学と薬学教育では大きな教育のギャップがあることが示唆された。医師と薬剤師が協働することで実現する疑義照会であるが、このような教育のギャップは円滑な連携に影響を与えるものと考える。 医師と薬剤師を対象としたワークショップは、平成25年4月と6月に計2回行った。参加者は医師10名、薬剤師9名であった。ワークショップでは、①疑義照会の現状や捉え方、②疑義内容について、薬剤師の判断で対処可能なものから必ず疑義照会が必要なものへの層別分類、③プロトコール化する際に考えられる問題点の抽出、というワークを実施した。①では地域性やヒエラルキーがある、などの問題点が挙げられた。②では、薬剤師の判断で対処可能な項目として一包化や自家製剤などが挙げられた。検討項目として、処方せんの交付年月日の不備、患者の生活スタイルに合わせた用法変更などが挙げられた。③では、プロトコール化により利益誘導につながるのではないか、患者情報の管理はどうするか、責任の所在はどうするかなどの問題点とともに、医師と薬剤師の相互理解がより一層必要である、などの意見が挙げられた。
|