2012 Fiscal Year Research-status Report
次世代型電子カルテシステムを用いた医療の質改善のためのプロセス解析手法の開発
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23590591
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
白鳥 義宗 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (20313877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森脇 久隆 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50174470)
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Keywords | クリティカルパス / 電子カルテ / バリアンス分析 / クリティカル・インディケ ータ |
Research Abstract |
(1)標準診療評価項目を利用した標準的診療プロセス策定のための基礎的検討 多くの大学病院においてしばしば縦割り診療がなされている。そして,同一疾患でありながら,係る診療科によって 治療法が違うということが起き得る現状である。そのため,病院内の多くのデータを駆使したTotal Quality Management (TQM)という考え方に立って診療を検討する必要があった。そこで,標準アウトカムマスタを利用し,標準化した診療評価項目に沿って,科学的・統計的な処理を行い,診療行為そのものの評価を多面的に行うことができる仕組みを検討した。さらに標準アウトカムマスタの改訂を現在行っており,より現場に近いマスタとして,施設間のベンチマークがスムーズに行えるように検討中である。 (2)クリティカル・インディケーターの検討 診療行為におけるすべての事柄が同じだけの重要性を持つわけではない。診療評価項目の中で,その治療法を継続するまたはその治療法の評価を行う上で最も重要となる指標が「クリティカル・インディケーター」である。このクリティカル・インディケーターの最適化を目指すことによって,実症例におけるベスト・プラクティスが実現出来るものと考えられる。まず,それぞれのパスにおいて事前に設定しておいたクリティカル・インディケーター候補が真の意味でクリティカルな働きをしているのかどうかを検証する必要がある。いくつかのパスにおいてクリティカル・インディケーターを検討した。今後このインディケーターの解析を行っていくことにより,より細かな診療プロセス上の問題点を明らかにするように検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は,病院内の全てのデータを電子的に一元管理した病院(インテリジェント・ホスピタル)において,ミニセット型パスと呼ばれる新規開発した独自の効率的な診療工程表(クリニカルパス法)を利用することにより,電子化されたあらゆるデータを基にがん化学療法を含む既存の治療法のさらなる成績向上・効率化・標準化などを行う手法の開発を目指すものである。 標準化に関しては,対応が進んでいるが,多くの学会等の動きを見ながら実状にあった,なおかつ汎用的なマスタを目指して少しずつ修正していく必要があるものと思われる。個々のパスについての検討は予定に比し遅れていたが,少しずつ検討がされ遅れを取り戻しつつある。次年度はその成果を国際学会で発表し,他国の研究者の意見も聞きながら修正を行っていく予定である。全体としては概ね順調であり,予定していた内容を達成できるものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)バリアンス分析と医療の質改善対策の検討 診療計画の評価上最も重要なものはクリティカル・インディケーターであるが,このようなクリティカルなもの以外でも多くのバリアンスが生じるのが現実の医療である。臨床の現場では患者の個人差が大きいため,予定していた診療計画が必ずしも一律にこなせるわけではない。逆にそこで生じるバリアンスから経験的に,真に効率的・効果的な診療がみつかることも少なくない。我々が開発したミニセット型パスは,経時的または同時的に複数のパスを走らせることが出来る画期的な物であるが,この際に生じるバリアンスを出来る限り自動的に集計・解析する。複数のミニパスの組合せを同一疾患で走らせ,その差を統計的に解析することにより,最適な抗癌剤の組合せを検討し,このバリアンスの集計・解析によって,より効率的・標準的な診療計画の策定を目指すことが出来るものと思われる。 (2)電子クリニカルパスにおけるレジメン機能の高機能化 電子クリニカルパス上で行われるがん化学療法のレジメン機能の向上を図る。がん化学療法の治療成績向上・効率化・標準化を行うため,診療支援機能,さらには意思決定支援機能を盛り込み,がん化学療法において医師を最適な治療法選択のためにガイドすることが出来るような機能アップを目指す。これには,がん治療における臨床データベースとそれから生み出される最適化のロジック作りが重要となる。 (3)がん以外の難治性疾患への応用 このような電子クリニカルパスを用いた治療成績向上・効率化・標準化の取り組みは,決してがんに限った事柄ではない。他の難治性疾患においても同様のことが期待されている。ここで得られた知見を他の難治性疾患に応用し,他疾患での有効性を証明したい。疾患の難治性が高く,患者ごとのバラツキが大きな疾患ほど効果が期待できるものと考えられる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者の病気・長期入院のために全体的には少し計画が遅れていたが,全体的に遅れが取り戻せて来ている。その研究成果を含め国際学会で発表する。または論文発表し,関係研究者と討議することにより,軌道修正並びに今後の研究の質を上げるための工夫をする予定である。そのため,次年度は国際学会での発表のための時間や費用を多く見込んでいる。
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Research Products
(1 results)