2011 Fiscal Year Research-status Report
外科手術における有害事象を簡便に把握するための手法の開発
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23590600
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
平尾 智広 香川大学, 医学部, 教授 (20325335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴江 毅 香川大学, 医学部, 准教授 (70398030)
宮武 伸行 香川大学, 医学部, 准教授 (30510705)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 危機管理 / 外科 / 社会医学 |
Research Abstract |
(目的)医療における有害事象の把握にはチャートレビューが最も有効とされているが、経験と時間を要するため、個々の医療施設ではほとんど行われていない。申請者らは、米国IHIのGlobal Trigger Tool(GTT)をもとに日本版GTTを開発し、わが国の医療現場での実用性を確認してきた。本研究ではそれをベースに、外科手術に特化した手法を開発することを目的とする。(平成23年度の実績)当初計画では、(1)先行知見のレビュー、及び(2)我が国の医療現場に適したToolの開発を行う予定であった。このうち(1)については文献の網羅的レビューに加え、米国IHI年次総会に参加し、GTT担当者との意見交換を行った。(2)については、我々が開発した日本版GTTをベースに、IHI surgical trigger toolの内容を加味して、外科手術用Toolの作成を行った。作成に当たっては複数の安全管理担当者、外科医師の意見等を取り入れた。また平成24年度に行う実地調査の準備として、医療施設の参加を募り、研究の説明及び院内スタッフのトレーニング、及び倫理審査の準備を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の計画をすべて実行した。さらに平成24年度の準備として、調査施設の募集、及び院内スタッフへの説明、訓練を行っており、研究の進行は順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度には、東日本大震災による交付の遅延により、外部調査チームの調査前会合等が実現できなかった。研究そのものの進行には全く問題はないが、平成24年度以降に行う病院調査に関して、外部調査チームの事前打ち合わせを行う予定である。(平成24年度)調査は院内スタッフによる調査(看護師等2名、医師1名)、及び外部者による調査(本研究チーム)からなる。これまでの成果及び先行事例から、影響度3a以上の事象は、約15%と推定され、信頼度95%、誤差5%の結果を得るには200症例が必要である。評価指標は、Toolの妥当性(感度、特異度、陽性的中率)、実行可能性(院内調査における所要時間、スタッフの負担感)で、適宜改良を加えながら完成を目指す。(平成25年度)試行した内容を分析し発表を行う。また普及のための研修プログラムを開発する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、院内スタッフによる内部調査、及び院外スタッフ(研究チーム)による外部調査を行う予定である。当初の計画では200症例を見込んでいる。
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