2011 Fiscal Year Research-status Report
レギュラトリーサイエンスの手法を用いた新薬承認審査ナレッジベースの構築と応用
Project/Area Number |
23590603
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
池田 正行 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10242215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋澤 るみ子 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (00411083)
戸高 浩司 九州大学, 大学病院, 特任准教授 (40398061)
横井 英人 香川大学, 医学部附属病院, 教授 (50403788)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 新薬承認審査 / テキストマイニング / データマイニング / ドラッグ・ラグ |
Research Abstract |
1.新薬承認審査ナレッジベースの構築:PMDAのホームページ上で公開されている、新薬審査報告書を精査し、以下の項目を含む新薬承認審査ナレッジベースを作成した。申請時期、申請区分、申請・承認効能効果、申請・承認用法用量、海外での承認の有無・承認時期、申請データパッケージ内容.その結果,従来明らかでなかった診療分野別のドラッグ・ラグ(承認医薬品の内外差)が判明した(Internal Medicine 2011;50:1565).また,計画的な臨床試験が極めて困難な,CBRN (chemical, biological, radiological, nuclear) agentsによる障害治療薬の承認審査上での問題点が明らかとなった(Lancet 2011;378:486及びAnn Intern Med 2011;155:135)2.テキストマイニング手法の確立:本研究で対象となる審査報告書は行政文書であり、また専門用語を大変多く含む文書であるため、形態素解析の精度向上には、関連分野の充実した用語辞書準備と、そのチューニングが必要だった。今年度は他の研究者の助言の下、データベース構造・項目及びラベリングポリシーを決定するとともに、分析の準備段階として、審査報告書に於ける文書的特性(用語の扱われ方、論理展開)等を検討した。さらに,分子標的薬の審査報告書について実際にテキストマイニングを行ない、審査報告書の形態素解析やベクトル空間モデル等による重み付けによって、各分子標的薬の特徴となりうる単語を抽出した。拡大同義語の正規語への統一化の処理や,感性分析に用いる判定パターンやルールの追加・修正が課題となることも明らかとなった.その結果は2011年11月の医療情報学連合大会(鹿児島)にて発表した。来年度以降は,対象とする審査報告書の種類の種類を拡大してさらに検討を進める予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.人員を含めた研究体制の整備が十分であったこと2.独創的な研究手法が確立していたこと3.研究対象が公開資料であるため,資料入手に時間を必要としなかったこと等の理由により,研究開始も推進にも大きな障害がなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り,海外臨床試験データを利用した申請が新薬承認審査に及ぼす影響並びに申請時と承認時の効能効果・用法用量の差異を検討する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
海外の新薬承認審査状況を把握するために,米国・欧州規制当局の薬事データベース購入に使用する計画である.
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Research Products
(4 results)