2012 Fiscal Year Research-status Report
指示のシステム化による医療安全と診療記録の質保証のための問題解決的アプローチ
Project/Area Number |
23590606
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
宇都 由美子 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (50223582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊本 一朗 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40225230)
村永 文学 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00325812)
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Keywords | 電子指示システム / HIS / 医療安全 / チーム医療 |
Research Abstract |
本研究は3年間の研究期間において、HISにおける指示の構造特性を分析し、指示システムの概念枠組みを明らかにする。また、既存のオーダや診療報酬請求並びに実施記録との円滑な連携を阻害する課題を明らかにし、それらの解決を図るアプローチを行うこ とを目的としている。 これまでに構築した電子指示システムのシミュレーション用環境において、PCの環境設定とバーコードリーダーの動作環境の確認を行った上で、指示システムシミュレーション用PCに、HISから必要なデータを抽出し、インストールした。これらのデータをもとに、臨床現場で多く出されるシミュレーション用指示を実装した。さらに、指示システムのシミュレーションについて、複数PCにおけるデータの共有や競合について確認、評価した。次に、テスト患者を登録して複数のベッドサイドPCとの結合試験と性能評価を実施した。特に、処方や注射など薬剤に関する指示で、インシュリンなど特殊な指示に対して、通常の指示出し、実施入力とは同じロジックで医事取り込みが不正確になることが判明した。これらの例外処理等も含め、運用とシステム機能の双方からシステム評価を行った。 一方、指示に基づく効率的な実施入力の検討と共に、記録へ確実に反映する方法を検討した。また、指示に対する実施入力が行われていない場合の確実な救済方法を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに構築した電子指示システムのシミュレーション用環境において、PCの環境設定とバーコードリーダーの動作環境の確認を行った上で、指示システムシミュレーション用PCに、HISから必要なデータを抽出できた。実データに基づき、現状で多い指示の形態や頻度等が把握でき、実験並びに今後の運用を含めて、実際的なシミュレーション用指示が実装できたと評価している。また、同一指示に対する複数PCにおけるデータの共有や競合について確認したところ、二重に実施入力が行える点などシステム的な対応が必要な部分を洗い出すことができた。 処方や注射など薬剤に関する指示で、インシュリンなど特殊な指示に対して、通常の指示出し、実施入力とは同じロジックで医事取り込みが不正確になることが判明した。電子指示システムの完成度を高める上で、現場で行われている診療行為と、医事算定上の制約をシステム連携において反映させる必要性を認識した。 これらの結果より、研究の進捗状態はほぼ遅滞なく進んでいるが、例外処理への対応という点で、予想以上に克服困難な状況が判明したので、おおむね順調に進んでいると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、主な研究として具体的に以下の手順で研究を行う。 1.研究2カ年の評価結果を元に、システムの改良を行う。 2.他の医療機関における指示のシステム化の実態を明らかにする。 3.実態調査で明らかになった課題等について、本研究で開発した指示システムのシミュレーション機能に追加し、解決策を検討する。 4.以上の結果に基づいて、最終的なシステム評価並びにシステムアプローチについて評価を行い、今後の課題等について整理し研究成果報告書にまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、主な研究費使途として、以下のことを計画している。 1.研究成果をmedinfo2013(国際医療情報学会inコペンハーゲン)で発表する。さらに、国内学会においても、日本医療情報学会等で報告する。 2.他の医療機関における指示のシステム化の実態を明らかにし、学会等で報告する。 3.電子指示システムあるいは、チーム医療を推進するシステム等について、国内外の文献検索を行い、最新の知見を得る。 4.実装されたシミュレーションデータに対する実施入力、医事取り込み等のデータ解析を行う。
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