2013 Fiscal Year Annual Research Report
指示のシステム化による医療安全と診療記録の質保証のための問題解決的アプローチ
Project/Area Number |
23590606
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
宇都 由美子 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (50223582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊本 一朗 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40225230)
村永 文学 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00325812)
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Keywords | 電子指示システム / 電子カルテ / オーダリングシステム / 医療安全 |
Research Abstract |
【背景・目的】指示の中で用いられている用語の使い方は医療機関で異なり、また、同一医療機関においてもさまざまな指示関連用語が用いられている。このことは、病院業務の標準化が達成できていないことの証しであり、さらに、指示に関連した医師以外の職種の裁量権が不明瞭である点など、医療安全をはじめ医療の質保証を阻害する要因である。本研究は、医療安全とチーム医療の促進に資することを目的として、HISにおける指示の構造特性を分析し、概念枠組みを明らかにした。【方法】指示の概念枠組みを確立し、それに基づいて、既存のオーダや診療報酬請求並びに実施記録との円滑な連携を可能とする仕組みについて検証した。さらに、システム化し、それらを実装して機能評価、運用評価を試みた。 【結果及び考察】指示の概念枠組みとして大きく5つに分類した。薬剤に関する指示は日時の経過に合わせて指示が展開するために、薬剤種に限らず定期的な指示を「薬剤指示」としてまとめた。薬剤の中でも、発熱・疼痛などある条件下で投与する必要がある頓服薬については、「条件指示」とした。次に、検査・画像・輸血などオーダに伴って看護師へ指示を出す機能を追加し、「オーダ詳細指示」とした。さらに、手術・処置、予約、リハビリのオーダについてはそのまま指示として利用できるので、「オーダ指示」とした。最後に、オーダを受ける部門がない指示、あるいは医事システムに連携する必要のない指示を、「一般指示」としてまとめた。指示の体系化を図った上で、電子指示システムを構築し、診療報酬請求並びに実施記録との円滑な連携を可能とする仕組みを作った。すなわち、本研究の独創的な点は、医師の指示とそれに対して実施した入力が診療記録として保存され、診療報酬の根拠に利用できるという点である。また、指示受け後の未実施の防止機能が有効に機能することによって、医療安全とチーム医療の促進に寄与した。
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