2011 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中医療と福祉従事者への卒前・卒後教育の地域間格差を克服する生涯教育の開発
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23590607
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
齊藤 正樹 札幌医科大学, 医学部, 助教 (90295345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下濱 俊 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60235687)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 生涯教育 / 卒後教育 / 地域格差 / 介護 / 脳卒中医療 / 認知症医療 / 高等専門教育 / 福祉 |
Research Abstract |
1)調査とその成果を北海道全域に還元介護福祉従事者の卒後教育プログラムとして新たにACT-F.A.S.T.プログラムを開発した。北海道中空知圏域(美唄市、奈井江町、砂川市、赤平市)および札幌市、釧路市での介護福祉スタッフへの調査と研修活動を行った。またこの結果を第36回日本脳卒中学会総会にて報告した。主任研究者の齊藤は、この結果をもとに、北海道統一版脳卒中地域連携パスである「脳卒中あんしん連携ノート」をパス(ノート)作成ワーキンググループの責任者として執筆、作成した。中でも、脳卒中に関する教育のページは全道、道外(仙台)から高い評価を受け、その一部は北海道脳卒中地域連携クリティカルパス運営協議会のホームページ上でも開示された。「脳卒中あんしん連携ノート」は北海道内の各保健医療圏の保健所および全道の主要脳卒中医療機関に配布された。また、すでに300名以上の患者に配布され、外来診療にて利用されている。2)介護福祉スタッフの認知症介護に関する調査報告介護スタッフ(施設系と訪問系)に脳卒中および認知症の研修会を開催し、併せてその理解度や現場での教育問題、サービス利用者への服薬確認の実際について調査を行ない、日本認知症学会総会にて報告した。3)中学生に研究結果を還元中空知圏域での介護福祉スタッフへの卒後教育を重ね、その中から、教育のリーダを養成した。平成24年3月に砂川市立砂川中学校において救急救命講習とともに脳卒中に関する教育を実施。中学校の理科の教科書および保健体育の教科書を参考に、本研究結果から教材を作成し、講習を行った。講師に本研究にて養成した介護福祉スタッフを動員して、その後の理解度などの調査を行った。これらは北海道新聞および、空知プレスといった新聞に掲載されたほか、小学生が119番通報を完遂して脳卒中患者が救急搬送される事例を報告、これも地元新聞に大きく取り上げられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画初年度で中学校の教育現場で成果報告できたほか、全道に本研究結果をもとにして主任研究者の執筆した「脳卒中あんしん連携ノート」が配布され、実際に利用されている。救急スタッフ招聘による研修は震災の影響で大幅に遅れているが、主任研究者が現地に赴き調査と研修を実施したため、実際には予想以上のペースで社会に対して予想以上の成果を還元している。
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Strategy for Future Research Activity |
高校生への成果還元(北海道で初めての講習会になる)を行うほか、道内各地域の介護福祉スタッフの卒後教育問題をさらに調査して、同時に改善策を実行する。救急関連の人材を招聘することが震災のため難しかったが、その代わりとなる教材の内容改変が成功していて、本年度はさらに調査を継続できる見込みである。なお、昨年度までの成果が評価され、平成24年4月末の日本脳卒中学会総会ではシンポジウムで報告することが決まっている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
各地域の調査や招聘を遅らせて実施しようとしたが、震災の影響で数か月待っても実施できず、結局、資材の購入や調査を次年度以降に持ち越した結果、残額が出たが、次年度以降使用して研究を完遂する。また、齊藤が先行して資材を投じ、研究し、作成物を用意した際に、下濱と相談・下濱も連記して作成したため、下濱の使用額は今回はない形になっている。各地域のスタッフの教育、研修体制を確立する。今年度は、それ以上は手が回らなかったということである。次年度は、具体的には紙の冊子だけでは不十分であることが昨年の研究結果から示されため、e-learningの教材作成に着手する。このため、昨年度購入を見合わせた教材作成用のコンピュータ-やソフト、何よりも十分な研究時間の確保が必要になると思われる。研修体制の確立に関しては震災の影響は予想以上に大きく、各地域で防災対策の見直しがかかり、招聘予定者が地元から離れられない状況がまだ続いているため、昨年度の事業を継続することが中心となる。主任研究者が招聘できない人材の代わりに現場に赴くこと、研究成果の発表に行くことでこの点はカバーできると思われる。
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Research Products
(3 results)