2012 Fiscal Year Research-status Report
回復期リハビリテーション病棟における新しい目標設定のモデル構築
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23590610
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
長谷 龍太郎 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (40325973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 香代子 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (70572155)
友利 幸之介 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (90381681)
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Keywords | 作業療法 / 回復期リハビリテーション病棟 / ADOC / 目標設定 / 意思決定 / SDM / 費用効果 / QALY |
Research Abstract |
平成24年度は,回復期リハビリテーション病棟における脳血管障害者に対する作業療法介入プロセスの違いについて予備的検討を行った後,多施設間での無作為化比較試験(Randomized control trial; RCT)による検証を開始した(現在も継続中).すなわち,作業療法のクライエントをトップダウンで介入を行う群と,通常介入群にランダムに振り分け,前者においては,活動と参加レベルの目標設定のためのiPadアプリであるADOC (Aid for Decision-making in Occupation Choice) を用いて介入を実動作メイン(全介入の2/3以上)で実施した.後者においては,基礎的な内容中心の介入メイン(2/3以上)に実施した.なお,両者の費用対効果についてQALY(Quality Adjust Life Years)を用いて検証している. 途中経過として,脳卒中患者の対象者21名をランダムにトップダウンアプローチと通常介入群に振り分け,約2ヶ月間の介入後,通常介入群に比べてトップダウンアプローチ群では,SF-36の身体の痛み,日常役割機能において有意に高値を示した.効果量はそれぞれ0.82, 0.92だった.その他のアウトカムにおいて有意差は認められなかった.このことから,トップダウンに基づく作業療法は回復期脳卒中者に対して有効である可能性が示唆されるが,対象者の予定人数(60名)まで平成25年度も継続して検証を続けていく予定である.また費用効果においても検討していく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は,共同研究者の募集,打合せ,アウトカムの開発,予備的検討を行い,予定してた回復期リハ病棟における多施設間でのRCTを開始することができた.なお現在研究対象者も毎月参加しており,倫理面や事故などにおいてもこれまで大きな問題はない.研究の途中経過においても上記の通り仮説に沿った結果が得られている.これらのことから,本研究は概ね順調に進展していると判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は継続中である回復期リハ病棟でのRCTを,予定人数に達成するまで実施する.全研究データ収集後,計画書通りに処理を進め,共同研究者間で共有したのち,成果については国内外の論文や学会発表などを通して積極的に公表していく予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は,共同研究者による研究打合せおよび学会発表のための旅費,論文や学会発表のための英文校正費,データ整理に必要な機材の購入費,等が必要となる.
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Research Products
(14 results)