2013 Fiscal Year Annual Research Report
パッシブRFIDタグによるME機器の自動的な包括管理の研究
Project/Area Number |
23590623
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Research Institution | Shonan Institute of Technology |
Principal Investigator |
保坂 良資 湘南工科大学, 工学部, 教授 (70173581)
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Keywords | パッシブRFIDタグ / UHF帯 / 小型ME機器 / 自動認証 |
Research Abstract |
平成25年度は、協力病院である札幌医科大学附属病院と湘南工科大学の間での小型ME機器「遠隔機認証実験」を予定していた。しかし協力病院のセキュリティシステム上これが困難となった。このため本年度は、UHF帯パッシブRFIDによる小型ME機器の包括的認証の際の「電磁的安全性の解析」を主軸として実施した。また小型ME機器が院内で搬送される際の「現実的な認証可能性」を、協力病院である札幌医科大学附属病院外来棟にて実験的に検証した。 前者ではいくつかの安全ガイドラインが関係省庁から示されているが、その安全マ-ジンが過大でUHF帯パッシブRFIDタグの応用を妨げている。ここではME機器の外来電磁波に対するイミュニティ試験値(JIS C61000-4-3)を根拠に、UHF帯パッシブRFIDシステムの現実的な危険度を評価した。一般ME機器では安全臨界値が3V/mであるため相当程度の配慮が必要だが、植え込み型ペ-スメ-カなどの生命維持装置はその安全臨界値が10V/mと高く、外来電磁波に対して「強い」ことがわかった。検証実験でも、この安全臨界値を超えた電界強度を得るには、現実的な運用環境を度外視するほど近接させる必要があることがわかった。すなわち一般的な臨床現場でUHF帯パッシブRFIDを運用する場合、現実的なアンテナ設置位置や運用方法では障害が生じる可能性が低いことがわかった。 後者では、札幌医科大学附属病院の放射線外来廊下にて、ステンレスワゴンと樹脂製ワゴンにより、小型ME機器の一般的な搬送状況の下での認証特性を評価した。その結果、金属製ワゴンを用いても必ずしも認証率低下が生じないことがわかった。認証率は主として小型ME機器へのタグの添付状況に依存し、ワゴンの材質による差異は僅少であった。 平成25年度の研究により、UHF帯パッシブRFIDタグによる小型ME機器の包括的院内認証の実用性の高さと、一般ME機器・生命維持装置に対する電磁的な安全性が定量的に確認できた。
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