2012 Fiscal Year Research-status Report
地域包括ケアシステム構築における持続可能な連携・協働システムの推進方策
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23590626
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 勝 愛知工業大学, 経営学部, 教授 (80024313)
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Keywords | 地域包括ケアシステム / 連携・協働システム / 持続可能性 / 医師のリーダーシップ / 地域特性 / 少子高齢社会 / 推進組織 / システム・マネジメント |
Research Abstract |
平成24年度においては、前年度の基礎調査研究で得られた地域包括ケアシステム構築に関する基礎データ等をもとに、持続可能な連携・協働システムの推進条件並びにその具体的方策についてシステム・マネジメント論の視点から総合的な検討と提案を行った。 また同時に、モデル地区として中山間地域特性及び過疎高齢化地域特性を有する「足助地域」を選定し、足助総合病院をはじめとする当該地域関係者の積極的な参画と連携による推進組織づくりを行った。とくに、当該地域の「産・学・官・民」の四者から構成される連携・協働推進組織づくりとその運営戦略についても検討を行った。 また、昨年度と同様に、平成24年度においても連携・協働システムにおいてリーダーシップが期待されている医師(及び医師会)を対象に、(社)豊田加茂医師会との共同研究により、医師の実態調査分析(配布数194件、回収数114件、有効回収率59%)を実施した。 さらに、前年度に続いて、地域包括ケアシステム構築及び連携・協働システムに関する全国の先進的実践例を収集するために、ヒアリング調査及び講演会・研究会に参加した。 なお、これらの調査研究成果の一部は、日本経営診断学会論集並びに日本情報経営学会誌等に4件の審査有論文として採録決定となった。また、平成24年9月29日に北海道大学で開催された日本経営診断学会第45回全国大会において、計3件の研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「おおむね順調に進展している」主な要因として、前年度とほぼ同様に、モデル地域の地域関係者(豊田市行政、豊田加茂医師会、足助総合病院、住民・ボランティア、愛知県立大学研究者、愛工大研究者、等)間における信頼関係、適切な役割分担及び協力体制づくりが整っていることが挙げられよう。とくに、(社)豊田加茂医師会とは、昨年度からの継続調査として、本年度も順調に医師の意識実態調査を実施し、多くの貴重な継続データを収集することができた。また、モデル地区において中心的役割を担っている足助総合病院院長及び医療・介護スタッフとの信頼関係・協力関係を構築することができ、今後のモデル事業の推進において極めて有益であると期待される。また、同様に、本年度は実施までには至らなかったが、介護サービス事業者連絡協議会(代表 安藤惣吾会長)との共同調査実施の準備がほぼ整った(平成25年度に実施予定)。最後に、何回かの住民との意見交換会・研究会を開催することにより、今後、本研究を推進していく上で、住民からの理解・参画・協力が得られたことは、本研究がおおむね順調に進展している最大の理由であると言えよう。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の平成25年度においては、これまでの地域包括ケアシステム並びにその中核システムである連携・協働システムの構築及び運営方法等に関する基礎理論構築及び基礎調査データをもとに、豊田市内におけるいくつかの地域特性の異なるモデル地区(たとえば、中山間型地域モデル、都市型地域モデル、新興住宅地域型モデル等)において、それぞれの地域特性と固有の目的・目標をめざして、ダイナミックな地域包括ケア推進計画と地域住民を主体とした「民・産・学・官」4者の連携・協働システムの構築とその円滑で効果的な運営方法について提案していく計画である。 また同時に、平成24年度に実施した医師の地域包括ケア等に関する意識実態調査を最終年度においても継続実施する計画である。さらに、同市内において活躍されている介護サービス事業者並びに専門従事者に対しても意識実態調査分析を実施する計画で、現在その打ち合わせと調整を行っているところである。 なお、この3年間の調査研究成果をまとめ、国内外の関連学会誌(日本経営診断学会論集、日本医療・病院管理学会誌等)及び研究会・全国大会において積極的に報告していく計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
最終年度となる次年度において必要な研究費としては、ヒアリング調査の実施およびいくつかの代表的なモデル事業の実施に必要な諸経費をあげることができる。とくに、関連情報の収集および研究報告のための国内外の旅費、アンケート調査関連経費(印刷費、郵送費)、データ及び資料作成・分析手伝費、並びに備品・消耗の購入費が必要になってくるであろう。
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Research Products
(7 results)