2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23590630
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
内海 美保 神戸学院大学, 薬学部, 講師 (80552231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 弘高 東京大学, 学内共同利用施設等, 講師 (90401314)
山元 弘 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (50127312)
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Keywords | プログラム評価 / 実務実習 / 薬学教育 / 薬剤師教育 / 医療者教育 / 臨床研修 |
Research Abstract |
(I)全国の薬学部から便宜的にサンプリングした9校の6年次生(1校5年次生),計49名に対し半構造化面接によるフォーカスグループインタビューを実施した.(II)全国の薬学部から便宜的にサンプリングした10校の6年次生,計1,039名に対し自記式アンケートを実施した.(III)2011年度と2012年度の結果の対比により,実務実習の経年的変化を明らかにした. (I)実務実習の内容や薬剤師の対応等において,工夫・改善がなされていることが示された.反面,薬局での実習期間が長すぎるという意見が顕著になり,実習内容等を再考する必要性があることが示唆された.(II)回答者:男性・女性;394・554名,平均年齢24.07±1.40歳(有効回答率91.24%).実習内容や薬剤師からの指導(6件法)等に関して,因子分析により因子負荷量 .35以上の項目を抽出した.結果,病院では4因子「対薬剤師意思疎通感」「学生受入準備・満足感」「対患者貢献感」「実習多忙・不満感」(各々α=.80,.71,.88,.69),薬局では3因子「対薬剤師満足感」「実習多忙・不満感」「学生受入準備」(各々α=.87,.87,.83)が見出された.これらの因子を独立変数とし,病院・薬局実習の目標である“チーム医療・地域医療を十分に体験できた”の項目を従属変数とし,重回帰分析を行った.結果,これらの因子は当該項目に有意に寄与していることが明らかになった(病院:R2=.35, p<.01、薬局:R2=.29, p<.01).(III)2012年度の病院実習では「患者担当制の導入」「他施設への訪問の機会」が,薬局実習では「実習中の学生同士ディスカッションの機会」が有意に増加していることが示された(各々χ2(1)= 13.479,p<.01,χ2(1)=18.122,p<.01,χ2(1)= 42.095,p<.01).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2012年度は,2011年度に続き,(I)実務実習を終えた学生へのフォーカスグループインタビュー,(II)実務実習を終えた学生への自記式アンケートを実施し,概ね良好な結果を得ることができた.しかし,年度途中に,研究分担者が辞退したこともあり,時間的にすべての研究計画を遂行することが不可能であった.実施できなかった項目としては,(III)実務実習指導薬剤師養成ワークショップの効果検証,(IV)実務実習指導薬剤師を対象とした自記式アンケート,(V)実務実習指導薬剤師を対象としたフォーカスグループインタビュー,(VI)臨床・企業の人事担当者を対象とした4年制薬剤師と6年制薬剤師の比較調査,がある.これらの調査は,当初の計画では,2012~2013年度にかけて,独立した研究課題として実施する予定であったが,今後の実現可能性等を考慮し,各研究内容を簡略化かつ統合し,すべての研究内容が網羅できるように工夫して実施したいと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の特徴は,全国一斉調査による画一的な回答だけでなく,インタビュー等により地域の特性がみてとれるような踏み込んだ結果を得ること,及び3年間,継続的な実務実習のプログラム評価と改善(提案)を繰り返すことで,実務実習の実質的な充実を図ることにある.2013度は,実行が遅れていた(III)実務実習指導薬剤師養成ワークショップの効果検証,(IV)実務実習指導薬剤師を対象とした自記式アンケート,(V)実務実習指導薬剤師を対象としたフォーカスグループインタビュー,(VI)臨床・企業の人事担当者を対象とした4年制薬剤師と6年制薬剤師の比較調査,の実施に加えて,本研究成果を社会に向けて発信していきたいと考えている.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(IV)アンケート:資料郵送費500(施設)×240(円/往復)=120,000(円),入力補佐業務800(円)×100(時間)=80,000(円).(V)フォーカスグループインタビュー:協力した指導薬剤師に対する謝礼5,000(円/名)×12(名)=60,000,旅費交通費30,000(円)×6(施設)=180,000(円),宿泊費6,000(円)×6(泊)=36,000(円),テープ起こし代10,000(円)×6(施設)=60,000(円).(VI)アンケート:資料郵送費100(施設)×240(円/往復)=24,000(円),入力補佐業務800(円)×40(時間)=32,000(円),フォーカスグループインタビュー:協力した人事担当者に対する謝礼5,000(円/名)×8(名)=40,000,旅費交通費30,000(円)×4(施設)=120,000(円),宿泊費6,000(円)×4(泊)=24,000(円),テープ起こし代10,000(円)×4(施設)=40,000(円).(VII)その他,研究協力者への謝礼800(円)×300(時間)=240,000(円),研究協力者の交通費30,000円×5回=150,000円,関連図書50,000円,消耗品(封筒,宛先ラベル,ファイル,他)50,000円
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