2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23590630
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
内海 美保 神戸学院大学, 薬学部, 講師 (80552231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 弘高 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90401314) [Withdrawn]
山元 弘 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (50127312)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | プログラム評価 / 実務実習 / 薬学教育 / 薬剤師教育 / 医療者教育 / 臨床研修 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、実務実習を受けた6年制薬剤師の現場でのパフォーマンスの実態や問題点等を明らかにした。具体的には、6年制薬剤師は、4年制薬剤師より、現場で必要な臨床に関する知識(服薬指導や処方提案等の薬学的患者ケアの知識)を、有意に多く身につけていることが示された(p<0.05)。一方で、現場で必要な科学や生体に関する知識、薬剤師としての基本的技能(調剤や実験、情報収集等にかかわる技能)、社会人としての基本的技能(文書の作成やプレゼン等の技能)、生命倫理等に対する意識、業務への主体性、コミュニケーション能力、問題解決能力、研究遂行能力等においては、6年制薬剤師と4年制薬剤師との間に有意な差は認められなかった。また、職場での行動や態度については、個人の能力や資質によるところが大きいという意見が多いものの、6年制薬剤師は実務実習の経験があり、臨床に関する知識等が豊富であるため、就職後、臨床スキルの習得等が早い、各施設での新人研修の期間を短縮できた等という意見が多くみられた。反面、6年制薬剤師は消極的であり、受け身である等、6年制薬剤師に限らない、現代の新社会人の気風に類似する傾向がみられた。加えて、今後より社会に貢献できる薬剤師を育成するためには、保険や予防医学、介護等に関する教育を導入し、コミュニケーション能力や問題解決能力、現場での実践力を醸成する教育を強化していくことが必要であるという意見が多くみられた。なお、6年制薬剤師が輩出されて以降、まだ4年しか経過しておらず、回答者の過半数は4年制薬剤師であることから、本研究の結果は現段階における一知見であり、今後、継続的かつ6年制薬剤師からの回答を含む多角的な調査が必要であると考えている。
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