2012 Fiscal Year Research-status Report
在宅要支援高齢者における摂食嚥下機能低下の予防的支援を目指した連携的研究
Project/Area Number |
23590631
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Research Institution | Himeji Dokkyo University |
Principal Investigator |
福永 真哉 姫路獨協大学, 医療保健学部, 教授 (00296188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 正浩 姫路獨協大学, 医療保健学部, 講師 (00434952)
中村 光 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (80326420)
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Keywords | 介護老人保健施設 / 摂食嚥下障害 / 嚥下予備能 / 認知機能 / 意欲 / 介護能力 / 介護負担感 / 舌筋力測定装置 |
Research Abstract |
本研究の目的は、摂食嚥下障害が顕在化する前の日常生活において、自立した実用的な経口摂取が行えている在宅の要支援高齢者の嚥下予備能および認知機能、意欲を評価し、家族の介護負担感を把握して理解し、必要な予防的支援のあり方を検討することにある。本年度は、予備調査として2ヵ所の通所デイケア・通所デイサービスセンターにおいて、明らかな摂食嚥下障害や認知機能障害を持たず、在宅において実用的な経口摂取を行っている要支援高齢者の摂食嚥下機能について、前年度作成した舌筋力測定装置用い、対象者の舌の筋力を突出、側方、上方について測定し、ディアドコ回数測定装置を用いて単音の交互反復回数、聴覚的検査によって発話明瞭度と発話異常度、発声持続時間による発声機能、RSSTによる嚥下機能を測定した。加えて高次脳機能としてMMSE、HDS-Rによる認知機能のスクリーニング検査、RCPMによる視覚性知能検査、TMTによる注意機能検査、やる気スコアによる意欲検査を施行し、約1ヵ月間の舌の挙上訓練、口の体操を中心とした口腔機能訓練を家庭で行ってもらった後に、再度摂食嚥下機能と認知機能検査を施行した。これらの機能を測定することで、摂食嚥下障害につながる嚥下予備能力と、潜在的な認知機能障害のリスクファクターを把握し、摂食口腔機能改善へとつなげるための要因を調査した。本調査では、全通所高齢者のうち、神経疾患や脳血管障害の既往のないか、もしくはあっても軽度で経口摂取を自立して行っており要支援高齢者5名が対象となった。これら要支援高齢者の背景要因である基本情報、病歴、日常生活動作、神経学的所見、認知機能や意欲などの神経心理学的評価、口腔運動機能の評価、現在の摂食嚥下状況、家人の介護意識調査の違いから、摂食嚥下障害が生じる前段階の要支援高齢者の摂食嚥下機能低下につながる要因について、対象者を広げて探求してゆく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、計画していた2ヵ所の通所デイケア・通所デイサービスセンターに通所中の対象高齢者において、今回の研究対象である神経疾患や脳血管障害の既往のないか、もしくはあっても軽度で経口摂取を自立して行っている要支援高齢者の募集にあたり、対象高齢者の比率が少なくデーターの収集が遅延気味である。また、本調査開始時にあたり舌圧測定機材の固定台に不具合が生じたことによるデーター収集開始時期の遅延も影響している。研究計画全体では、機材の安定運用を可能にし、対象高齢者を広げることで予定対象者数の確保に努めている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、前年度に引き続き、研究協力施設に通所中の要支援高齢者に対し、前半にかけて嚥下予備能を向上させるための予防的支援を介入的に実施し、その効果を検証する。遅延していたデーター収集を対象高齢者を広げることで予定対象者数を確保してゆく方針である。そして、収集されたデーターに基づき、摂食嚥下機能を低下させる要因の分析、および在宅での経口摂取における予防的支援のあり方と課題について得られた結果を取りまとめ、摂食・嚥下リハビリテーション学会、ホームページ等などの場で成果の公表を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初、立案した研究計画にそって本調査を継続実施し、データー収集を行うため、各研究協力施設にて使用する舌圧計の購入、研究機材の購入、実地調査を行うための旅費ならびに研究協力者との会議費用、情報収集費用、設備費としてデーター解析ソフトと解析用パソコンの購入の費用として主に使用してゆく予定である。
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Research Products
(11 results)