2014 Fiscal Year Research-status Report
ナショナルデータベースを活用した予防・医療の平均余命・医療費への効果測定
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23590633
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
岡本 悦司 国立保健医療科学院, その他部局等, その他 (90247974)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2017-03-31
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Keywords | レセプト / 医療給付実態調査 / メタボリックシンドローム / 傷病別医療費 |
Outline of Annual Research Achievements |
医療給付実態調査の調査票を統計法に基づいて提供申請を行った。医療給付実態調査は,全レセプトを集計した全数調査であり,特定健診や保健指導データは含まれていないものの,レセプトについてはナショナルデータベースと同一である。 同一人を暗号化して追跡できるようになっているため,2008年度からの第一期医療費適正化計画期間中のメタボ関連医療費の推移を同一人で追跡することを目的として,調査票データ提供を申請した。 医療給付実態調査はレセプトのみの調査であって,国保データベースのような被保険者台帳を含んでいないため,5年間の最初と最終年度に同一保険者に属し,かつレセプトがある者について観察することとした。 その結果,初年度2008年度のデータはシステムの容量の限界からシステムから削除されているため5年間の追跡ができないことが判明した。また国民健康保険では,国保データベースの構築のため全ての被保険者の記番号が2011年度途中で変更されことから,記番号を暗号化されたIDではひもづかないことが明らかとなった。研究方法を練り直し,国保では,暗号化された記番号に加えて、生年月日と保険者及び医療機関コードで名寄せすることとし,5年間の観察期間確保のため2013年度までのデータとして申請中である。 2013年度データは5月頃に公表されることから,結局本年度末までにデータ入手はできなかったが,データ入手次第,5年間にわたる同一人のメタボ関連医療費の推移を,保険者別に算出する予定である。特定健診や保健指導の突合はできないが,全ての保険者についてメタボ関連医療費の増減を把握することにより,健診受診率等とメタボ対策の指標と,メタボ関連医療費の増減との関連を全保険者において評価することができる見込み。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の2008年度のデータがシステムから除外されている,といった想定外の問題も明らかとなったが,医療給付実態調査の5年間分のレセプトデータより,メタボ関連医療費の推移を個人単位で追跡できる見込みができた。最新の2013年度のデータの公表が遅れているため本年度内の集計は間に合わなかったが,本研究の最終年度中に,全ての保険者について個人を追跡したメタボ関連医療費の推移をだせるめどがたった。
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Strategy for Future Research Activity |
ナショナルデータベースは,法的な制約(統計法ではなく行政機関個人情報保護法が適用されるため保険者別の集計が行えない)と技術的制約(ハッシュ関数の不備のためレセプトと健診データとの突合率が悪い)のため予定通り使用できなかったが,医療給付実態調査という統計法に基づく同等のデータを利用して,5年間の個人単位のメタボ関連医療費の推移を全ての保険者について算出し,第一期医療費適正化計画の総合的な評価結果として最終年度において総括する予定。
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Causes of Carryover |
消耗品購入において業者から相見積もりをとった結果,見込み額より安価であったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度では医療給付実態調査の大容量のデータの処理を行うため,ハードディスク等の記憶媒体を余裕をもって購入することに充当する。
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Research Products
(4 results)