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2011 Fiscal Year Research-status Report

ヒト末梢血単核細胞を用いた核酸誘導体の効果予測に関する研究

Research Project

Project/Area Number 23590637
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

本間 真人  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (90199589)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywordsゲムシタビン / SLC29A1 / 末梢血リンパ球 / 幼弱化抑制効果 / 遺伝子多型
Research Abstract

ゲムシタビン(GEM)の臨床効果に、がん組織上のSLC29A1(核酸トランスポーター)発現の関与が指摘されている。SLC29A1の発現は、摘出組織を用いた免疫染色によって評価するが、手術非適応の患者には適用できないという問題がある。SLC29A1は末梢血リンパ球(PBMC)にも発現していることから、その活性評価にPBMCを代用できる可能性がある。本年度は、PBMCを用いた活性評価法としてin vitroにおけるGEMのPBMC幼弱化抑制効果(BGS)を検討した。 健常被験者30名のPBMCを用いた。BGSではマイトゲン(コンカナバリン)で刺激したPBMCの幼弱化を50%抑制するGEM濃度(IC50値)を求めた。IC50値に及ぼすSLC29A1阻害剤(ジピリダモール:DP)とSLC29A1-706G>C(mRNA発現に関与)の影響について検討した。 PBMCにDPを添加するとIC50値が無添加の96倍に上昇したことから、GEMのBGSはSLC29A1を介していると考えられた。また、IC50値(中央値:範囲)はSLC29A1-706Cキャリア群(0.06:0.01-10μM)と比較してG/G群(0.04:0.01-0.1μM)で低く(p<0.05)、DP添加によるIC50値の上昇がG/G群で大きいことから(48倍vs.100倍)、G/G群におけるSLC29A1発現はCキャリア群より高いと考えられた。 SLC29A1阻害剤やSLC29A1遺伝子多型がIC50値に影響することから、GEMのBGSによってPBMCに発現するSLC29A1活性を評価できると考えられた。今後は患者のPBMCを用いて同様に検討する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

健常ボランティアのPBMCを用いたin vitroの研究(SLC29A1の遺伝子多型/mRNA発現とPBMCの幼弱化に及ぼすGEMの抑制効果)はほぼ予定通りに進行したが、患者のPBMCを用いたin vitro研究と患者を対象とした臨床研究は症例のリクルートが予測よりも少ないため、「やや遅れている」と評価した。 臨床研究では、患者のリクルートにおいてSLC29A1の遺伝子多型解析を行なうが、23年度はこの解析をリース機器(全自動遺伝子解析装置)を用いて行なっていた。この機器をリースできた期間が2ヵ月間と短く、この間に来院した患者しか対象とできなかったことが、患者リクルートが進まなかった原因の1つであった。23年度末に、研究者が所属する施設で当該機器を共同機器として設置されたので、24年度以降はこの問題は解決される見通しである。また、対象となる患者についてもエントリー基準の見直しをはかり、症例数の確保に努めて行きたい。

Strategy for Future Research Activity

健常ボランティアのPBMCを用いたin vitroの研究をさらに推進するとともに、同様の研究を患者のPBMCにおいても展開する。また、SLC29A1の遺伝子多型がGEMの有効性に及ぼす影響を検討する臨床研究では、可能な限り症例の集積を行なう。 患者のPBMCを用いた研究では、既にGEM治療を開始している症例も対象とするため、採血(PBMCを分取する)の時期(GEMの投与直後か一定期間を経過した後か)で結果が異なると予想される。可能な限り、各症例について複数回の採血を行ない、採血の時期が結果(PBMCの幼弱化に及ぼすGEMの抑制効果やSLC29A1のmRNA発現)に及ぼす影響を明らかにしたい。 臨床研究では、主として手術非適用の膵がん患者を対象として前向き調査の症例のリクルートを試みていたが、今後は手術後にGEMを使用する症例もリクルートし、後ろ向きの調査も開始する。SLC29A1の遺伝子多型は手術によって変化するものではないため、GEM有効性との関係は後ろ向き調査によっても解析が可能である。 また最近、GEMの効果や副作用にGEMの血中濃度が関連していることが報告されたため、SLC29A1の遺伝子多型解析に加えてGEMの血中濃度測定も解析項目とすることを検討したい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度の研究方針は、本年度と大きく変わらないため(PBMCを用いたin vitroの研究と臨床研究を平行して行う)、次年度の研究費の使用計画もほぼ本年度と同様であり、消耗品費と研究旅費がほとんどである。具体的には、SLC29A1の遺伝子多型解析、PBMCの幼弱化に及ぼすGEMの抑制効果、PBMC上のmRNA発現、GEMの血中濃度測定に必要な試薬・器具(SNPタイピングキット、Cell countingキット、Real time PCR用試薬・器具、PBMC培養用試薬・器具、HPLC用試薬・器具など)を消耗品費として、研究成果発表、情報収集のための学会参加費用を研究旅費として使用する予定である。 本年度にリースした全自動遺伝子解析装置は、本年度末に研究者が所属する施設で当該機器を共同機器として設置したので、次年度以降はこのリース費用が不要となる。この分は、症例数の集積やGEMの血中濃度測定費用に使用したいと考えている。

  • Research Products

    (1 results)

All 2011

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] SLC29A1の遺伝子多型がゲムシタビンの末梢血リンパ球幼弱化抑制効果に及ぼす影響2011

    • Author(s)
      本間真人、大木桜子、鈴木嘉治、小田竜也、大河内信弘、幸田幸直
    • Organizer
      第38回日本臓器保存生物医学会学術集会
    • Year and Date
      2011-11-25

URL: 

Published: 2013-07-10  

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