2011 Fiscal Year Research-status Report
個別化治療を目指した小腸、腎尿細管薬物トランスポーターのゲノムバイオマーカー探索
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23590646
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
藤田 朋恵 北里大学, 医学部, 講師 (20296510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬嶋 正隆 北里大学, 医学部, 教授 (70181641)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 薬物トランスポーター |
Research Abstract |
本研究は、小腸、腎尿細管に主として発現し、薬物の消化管吸収、腎排泄を調節している取り込み型薬物トランスポーターの遺伝子多型が薬物動態、薬物反応の個別化においてゲノムバイオマーカーとして有用であるかを探索することを目的とする。抗けいれん薬ガバペンチンの薬物動態および中枢症状を評価した過去の臨床試験結果をもとに、同試験に参加した一部の被験者7名より血液検体を得、標的薬物トランスポーターとして新規有機カチオントランスポーター(OCTN1)のプロモータ、エクソン(1-10)、エクソン周囲イントロンの塩基配列を調べた。その結果、ガバペンチンの腎排泄低下を示した被験者1名においてのみイントロン5に1塩基多型を認めた。そこで、今年度は、(1)本多型と白血球中遺伝子発現量および機能変化の指標としての赤血球中天然アミノ酸エルゴチオネイン濃度との関係を新たに多数の被験者で調べること(2)薬物動態データのある7名の被験者の血液検体を用いて、他の候補薬物トランスポーター遺伝子の全配列を調べること、を行う目標を掲げた。(1)については、既存試料として73名の日本人健康成人より文書同意により得た末梢血を用いて測定することを予定している。現在、大学内倫理委員会への申請準備を行っている。(2)については、上記7名の被験者既存血液試料を用いて有機アニオントランスポーター(OAT3)およびアミノ酸トランスポーター(LAT2)のプロモータ、エクソン、エクソン周囲イントロンの全配列を測定することについて大学内倫理員会に申請し承認を得た。現在測定準備をすすめている。本研究の意義として、ガバペンチンの腎排泄や小腸吸収の個体差に寄与する薬物トランスポーター多型を同定することで、薬物トランスポーターの薬物動態への影響度を明らかにすることや患者での遺伝子多型に基づく薬物用量の個別化に応用できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
多数の被験者からの血液検体の収集に時間を要したこと。アミノ酸濃度測定の構築に時間を要していること。
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Strategy for Future Research Activity |
倫理委員会への申請、実験計画作成、実験作業の遂行など、役割分担を明確にし複数名で進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
薬物動態データとリンクする既存血液試料7名分より白血球核内DNAを抽出した後、残り2つの候補薬物トランスポーター(OAT3, LAT2)のプロモーター、エクソンおよびエクソン―イントロン境界部分についてダイレクトシーケンスし、既知の対照配列と比較する。すでに見出したOCTN1イントロン多型と今後見出される可能性のある上記トランスポーターの多型について、別の日本人73名の既存血液試料を用いて調べ、多型の機能指標として、白血球中遺伝子発現量と赤血球中アミノ酸濃度を測定する。候補多型を絞りこんだ後、多型を持つもの持たないものを対象としてガバペンチンを投与し、血中薬物濃度、腎排泄速度、中枢作用について比較する前向き研究を行う。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] 日本人での尿中ナトリウム排泄量の個体差要因としてのカリクレイン遺伝子多型検索2011
Author(s)
藤田朋恵, 安田修一, 野村今日子, 萩原久美子, 入戸野和代, 高村雅美, 佐橋邦彦, 小林真美, 丸岡奈穂, 中原いちみ, 熊谷雄治, 馬嶋正隆
Organizer
第32回日本臨床薬理学会年会
Place of Presentation
浜松
Year and Date
2011-12-03