2013 Fiscal Year Research-status Report
縦断的継続診療によるアルツハイマー病及び軽度認知機能障害病態バイオマーカーの確立
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23590669
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
松本 明 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (80181759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武地 一 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10314197)
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Keywords | バオマーカー / タウ蛋白 / タウペプチド / 立体構造特異性 / MCI / アルツハイマー病 |
Research Abstract |
現行の基準で軽度認知障害(MCI)と判断される被験者から、アルツハイマー病(AD)に以降するグループ(MCI due to ADあるいは prodromal ADと表記される)に関連する血液バイマーカー候補を見い出した。 候補物質は髄液(CSF)中ではその総濃度(total tau concentration)がADの病態診断マーカーとして確立しているタウ蛋白の一部の限定分解ペプチドで、成人で1日に500ml静脈血中に還流する髄液が血液と混合し、血中のエンドプロテアーゼ作用で比較的選択的に分解され、低分子化したペプチドから見い出された。 当該ペプチドの構造は現時点では開示できないが、そのC端側断片の立体構造に対する特異的モノクロナル抗体の高い比活性と特異性から、ADと正常群の区別は元より、MCI du to ADと正常群との区別を可能にするクローンも得られている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
髄液バイオマーカーとして確立しているタウ蛋白を対象として、その血液への還流ペプチド中のタウペプチドの解析に昨年度後半から本年度をかけて集中した。 しかし予想に反し当該ペプチドの多様性が高い上に、優れた抗原決定基の分布が偏在しており、一次構造認識抗体では、充分な比活性を持つクローンが得られなかったため。 本年度後半から始めた立体構造認識抗体のいくつかのクローンから、MCIとの弁別の可能なアッセイ系か組めるようにたった。
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Strategy for Future Research Activity |
当該ペプチドを対象として、更に大きなスケールで立体構造認識モノクロナル抗体のスクリーニングを行う。 検体の工夫: MCI被験者ができる限りMCI due to ADである確立を高めるため、脳MRI検査の画像情報を多く得られるようにし、Peterson基準のみでは25%近く含まれてくる安定型MCI(stable MCI)を除外するように努める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記のとおり本年度の研究成果として、中枢性キャリア蛋白であるトランスサイレチン分子中の低分子化合物及びペプチドの結合部位解析とドッキングシュミレーション解析を行った。その受託解析に要する期間が事前の予想より約一か月遅延したため、年度内に経理処理を完了することができなかったため。 翌年度早々に「理由」で説明した経理処理を実行する。 翌年度の使用計画については、検体管理・収取・解析については当初の予定とおり実行するが、「理由」で説明した研究成果の知見によって、さらに同様の解析をトランスサイレチンとベータアミロイドの結合に関し、詳細に実施する必要性が生じたため、約500,000円の予定外の研究解析費用を計上する予定である。
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