2011 Fiscal Year Research-status Report
脳磁図と磁気刺激による軽度認知機能障害の臨床検査法の開発
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23590672
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
依藤 史郎 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80191675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 雅之 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (30372626)
後藤 哲 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80533801)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 脳磁図 / 海馬 / 大脳皮質 / 言語記憶 / 非言語記憶 |
Research Abstract |
目的は脳磁図を用いた記憶機能の臨床検査法の開発であり、初年度は高次脳機能低下の患者でも可能なタスクの開発を行ってきたが、最適なタスクが開発できたとはまだ言えない状態である。言語記憶に関するタスクについては、11人の健常被験者で海馬の反応が得られており、今後一人ずつの測定で安定した反応が得られることを目指してタスクの改良を行っている段階である。従来大脳表面ではなく皮質下における神経活動は脳磁図で記録するのは困難であるとされてきたが、今回海馬での反応が得られたことで、見通しが立ってきていると考えている。 非言語記憶については図形を用いたタスクを開発中であり、大脳の記憶関連領野である前頭葉や頭頂葉の反応が記録されるようになってきた。 言語と非言語の両方の記憶機能を、海馬と大脳皮質のそれぞれの活動として簡便に定量的に測定できる方法を開発することは、高齢化に伴って増加している認知症の早期スクリーニングが容易になるという意義があり、臨床検査としての応用が期待されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
言語および非言語の記憶をする際の脳活動を脳磁図計測するのに最適のタスクを慎重に作成しているため、計画はやや遅れている。本研究の目的が臨床検査法の開発であるため、各個人で明瞭な定量化できる脳の反応を得る必要があり、拙速を避けて再現性のよい感度と特異性のよいものを開発したいと考えているためである。
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Strategy for Future Research Activity |
満足できる記憶タスクを作成できればあとは、まず健常者について多数例で測定を行い、それぞれ個人の海馬の反応と大脳皮質の記憶関連領野の反応を定量化して基準値を作成する。その結果に基づき、臨床応用への道を目指したいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の研究計画に変更はなく予定通り研究を進めていくが、記憶に関する脳機能を感度よく賦活できるタスクを作成するところに時間をかけているため、当初予定していた国際学会発表は行わず、次年度以降に行う。遅れを取り戻すため、データ解析を手伝ってもらう人を謝金にて雇用する。 なお脳磁図使用に関して発生する液体ヘリウム代は申請時は物品費として計上していたが、実際には医療設備使用料として「その他」という費目から移算処理されたため物品費が予定以上に残っている。次年度以降はこの点を改善したい。
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Research Products
(1 results)