2013 Fiscal Year Annual Research Report
猫ひっかき病の特異抗原別ELISAによる新血清診断法の確立と病態解明への応用
Project/Area Number |
23590673
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
常岡 英弘 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40437629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市原 清志 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10144495)
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Keywords | Bartonella henselae / ELISA |
Research Abstract |
本研究の目的は猫ひっかき病(CSD)の病原体で培養困難なBartonella henselaeに対する血清IgG抗体価を高感度に測定できるELISAの確立である。申請者らはB. henselae菌体成分のN-ラウロイル-サルコシン(以下サルコシン)処理液(上清液)が抗原として優れていることを見出した。本研究ではその抗原をさらに二次元電気泳動やウエスタンブロット法で解析し、イオン交換カラムクロマトグラフィ(DEAE)法で、特異性の高い蛋白成分を精製・解析することを試みた。 まず菌体サルコシン処理上清液を二次元電気泳動法で解析したところ、多種類の蛋白成分が検出され、Dnak,GroEL,Tuf,RL9,GroEsなど8種類の蛋白が同定されたが不要な蛋白が多いため、CSD患者に特異的に反応する抗原蛋白の同定・検出は困難であった。 そこでさらにこの抽出液をDEAE法で精製した。その結果、サルコシン抽出液はB. henselae菌体を超音波処理せず、直接にサルコシン液で連続抽出したほうが優れていることが明らかとなった。また抽出回数によりその抗原成分も異なり、一回目の抽出液のDEAE法では陰性検体と反応する蛋白成分が主に245mM以下で抽出された。一方、CSD患者血清と反応する特異性の高い蛋白成分は2~4回目抽出液の245-295mMNaCL溶液中に多く含まれていることが判明した。 今後はこの精製液を大量生産すると同時にこの抗原液の解析により、種々の特異性の高い抗原蛋白の精製が可能となり、高感度ELISAの確立が期待される。
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