2011 Fiscal Year Research-status Report
迅速脳酸素代謝検査法における動静脈血管容積画像計算法の確立
Project/Area Number |
23590675
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
久冨 信之 香川大学, 医学部, 准教授 (20552045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 佳宏 香川大学, 医学部, 教授 (50263900)
山本 由佳 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (30335872)
飯田 秀博 独立行政法人国立循環器病研究センター, 画像診断医学部, 部長 (30322720)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 脳虚血 / 脳酸素代謝量 / PET / 迅速検査法 / 脳血流 / 標識酸素 |
Research Abstract |
脳梗塞診断は患者の予後を左右するため、早期診断法の開発は重要な課題である。本研究課題はPETによる10分程度の迅速脳血流・酸素代謝量検査(標識水と標識酸素を5分差程度で投与し検査時間を短縮した検査法、迅速法)において、血管成分量(CBV)画像を推定する方法の開発を目的とした。今年度は、迅速脳血流・酸素代謝量法(連続投与法)により香川大学医学部付属病院および国立循環器病センターにおいて検査を実施した。検査は健常者、患者を合わせて50例程度の実施があった。健常者に対する連続投与法データによりダイナミック画像を計算し、またその画像にフィルターをかけノイズを軽減させた画像を得た。これらの画像に対しCBV画像を計算した。また従来法である標識一酸化炭素によるCBV画像を計算した。標識一酸化炭素によるCBV画像と比較し、迅速法から得たCBV画像のコントラストは類似していることを確認した。また定量値においても、これらの差が40%以内の一致であった。更に、画像にフィルターをかけた場合の画像はよりノイズの影響が小さく、標識一酸化炭素によるCBV画像とコントラストがより一致していることを確認した。但し、定量値はフィルターをかけない場合と同等であった。40%以内の一致であれば、診断に問題がないと考えられる。更にCBV計算において複数の種類の重み付け計算を行った。その結果入力関数で重み付けを行った場合に標識一酸化炭素によるCBV画像と最も画像のコントラストが近く、また、定量値も相関が強いことが分かった。患者データ(軽度の虚血)においては健常領域と病変領域に関心領域をとり、それぞれの領域での時系列曲線の立ち上がり時間と曲線の形状を比較した。病変部位において遅延やなまりの程度は健常域と比べて同等であることが見られた。今後はより重症度の高い患者データでの検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、健常者、患者データを50件程度得ることを計画し、これらが得られた。このうち健常者データにおいて迅速検査法による画像データおよび標識一酸化炭素によるCBV画像を計算し比較した。これに加えて迅速検査法による画像データにフィルターをかけノイズの影響を軽減させる方法について検討することができた。患者データにおいては、健常領域と虚血領域で入力関数変動の可能性を検討することを計画していたが、現在あるデータにおいてその影響が評価できた。シミュレーションによる入力関数の遅延時間やなまりの影響についてもデータを得ることができた。以上、本年度において計画していた課題を達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に引き続き、誤差要因の検討と補正法の開発、およびシミュレーションによる検討を行う。また検査データの解析とシミュレーションの結果を合わせて検討を行う。また、脳血管の動脈、毛細血管、静脈の分画について生理的側面からの検討を行う。現在、PET検査による脳酸素代謝量の計算に於いてCBV検査からの補正では、脳灰白質の動脈の分画は16%であるという仮定に基づいている。しかしこの値はヒトの脳の測定によるものではなく、また、健常者で30%であるという報告もある。本研究の検査法では全血管成分を反映したCBV、動脈成分のみ反映したVA、動脈と酸素摂取率をかけた静脈の一部を反映したV0という3つの情報を同時に得ることができる。これら3つの情報から脳内の血管を構成する分画について検討する。これらの検討から、健常者に於ける血管分画、患者においては重症度の程度と血管分画の拡張・収縮という変動の程度について評価する、すなわち、新しい病態の把握法について検討する。 これらと並行して、脳血液量に関する他の方法による研究結果と比較する。患者においては重症度の程度と血管分画の拡張・収縮という変動の程度(全員)について評価し、病態の把握法について検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
画像処理およびシミュレーションのためのPCおよびソフト購入し研究を効率化させる。また画像データの保存のためデータストレージを購入する。成果の発表のため、欧州核医学会(イタリア国ミラノ)へ出張予定である。成果発表のためスーパーファイン紙、学会参加費などの諸経費が必要である。また月一回程度国立循環器病センターとの研究打ち合わせのため出張する。
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Research Products
(4 results)