2011 Fiscal Year Research-status Report
レジスチンによる免疫機構の変化を介した糖尿病発症メカニズムの解明と発症予知
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23590676
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
高田 康徳 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (20432792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大澤 春彦 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90294800)
大沼 裕 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00294794)
西田 亙 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80271089)
川村 良一 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (90533092)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | resistin / SNPs / DNA array |
Research Abstract |
ボランティア24症例のうち、レジスチンレベルが高い群12例をExperimental (case)とし、低い群12例をBaseline (control)とし、それぞれの末梢血からLymphoprepTubeを用いて単核球を分離した後、CD14ビーズを用いたMACSシステムによりさらに単球に分離しRNAを抽出した。RT-PCRによりcDNAとした後、血中レジスチンレベルにより影響を受ける遺伝子群を同定するためにAffymetrix Gene Chip Human U-133 Plus 2 Arrayと定量的RT-PCRにより解析した。レジスチンレベルが高い群 (case)については3 array、低い群(control)については、4 arrayを施行した。Experimental 群とBaseline 群間で変動している遺伝子を特定するために、二群間の統計検定を実施した。Experiment群3サンプルとBaseline 群4サンプルの組み合わせで作成される12通りの発現比を算出し、発現上昇(Log2 ratio>0.585)、発現低下(Log2 ratio<-0.585)を満たすものを血中レジスチンにより影響を受ける遺伝子として同定した。次に、SAM p-value<0.05でかつLog2 Ratio0.585>, <-0.585の発現変動がみられた遺伝子がどのような遺伝子機能群にみられたのかをフィッシャーの正確確率検定を用い検定した。 更に、バイオインフォマティクスを用いた遺伝子ネットワーク解析、パスウエイ解析を行うことにより、単一遺伝子の変動だけではなく、これらで影響を受ける遺伝子群として解析した。その結果、複数の免疫に関連する遺伝子が、血中レジスチン値と関連性がある可能性が高いことを発見した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ目標数のサンプルを収集し、DNA arrayを施行、さらに統計解析、バイオインフォマティクスを用いた遺伝子ネットワーク解析、パスウエイ解析を行うことにより、レジスチンにより影響を受ける候補遺伝子の絞り込みを行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に示したように、24年度においても23年度と同様に、単核球(単球、T細胞)プロファイルへの血中レジスチンレベルやレジスチン遺伝子SNP-420変異の関与について分子レベルから解明する。更に、24年度は23年度の研究で明らかとなったresistinにより影響を受ける遺伝子群について、タンパクレベルでの検討も推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度においても23年度と同様に、ヒト末梢血からの単球の単離、RNA精製、RT-PCR、DNA array、arrayのための、キット購入費用が必要である。また、array結果の統計解析、バイオインフォマティクスを用いた遺伝子ネットワーク解析、パスウエイ解析を行うための解析費用が必要である。更に、24年度は、関連が推測される因子のタンパクレベルでの検討を行うために、ELISAキット、あるいはFACSの抗体を購入する必要がある。
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